研究課題/領域番号 |
01480072
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
須崎 民雄 九州大学, 農学部, 教授 (40038211)
|
研究分担者 |
玉泉 幸一郎 九州大学, 農学部, 助手 (80205062)
井上 晋 九州大学, 農学部, 助教授 (20038342)
矢幡 久 九州大学, 農学部, 助教授 (90038290)
|
キーワード | 水ストレス / 茎熱収支法 / ダイナゲ-ジ / 養分動態 / クロマツ林 / ハマゴウ |
研究概要 |
1.乾燥・塩生条件下での樹木群の水ストレス ヒノキを材料とし乾燥に伴う光合成・蒸散速度を同化箱で、樹液流量をダイナゲ-ジ法によって測定し、相互の関係を明らかにした。樹液流量は野外条件で測定しうるので樹木反応の実際を最もよく反映するが、従来のヒ-トパルス法では樹液通過部の傷つけや測定が一部に限定されることから問題があった。ここでははじめて木本にダイナゲ-ジを使用し、測定に成功した。小さな苗木でも樹液流量と蒸散・光合成速度との間には大きな時間のずれがあることが明らかとなり、樹体の水ストック機能が乾燥との関係で有効に働くことを認めた。 2.風衝砂土における樹木群の養分動態 海岸クロマツ林の養分循環を、落葉の分解、降雨を主収入、樹木の吸収、土壌からの流亡を主支出として養分動態を測定した。その結果を窒素についてみると、分解はかなり早く、6キロ/haと重要な収入であり期待された落葉・土壌寄生の微生物による空中窒素固定は見られなかった。一方、クロマツによる吸収はかなり大きく、分解窒素に降雨分を加えても、支出を補うことはできず、結局年間haあたり19キロの窒素量不足と計算された。クロマツ林は健全な林でも養分的には余裕なく循環させていることがわかった。 3.乾生樹木の水分特性 海岸砂地に生育するハマゴウ群落について、砂地、塩分、夏期高温、乾燥、砂移動と堆積などの乾生条件に対し、形態的、生理的にどのような適応戦略を示すかを研究した。その結果、水分、光合成特性の異なる二種類の葉(直立葉と葡匐葉)を展開させ、盛んな同化能を示すこと、葡匐枝は水分通導性に、形態的にすぐれ、潜伏芽を多く用意して直立二次葉の発生を容易にするなどの適応がみられた。
|