研究課題/領域番号 |
01480074
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大熊 幹章 東京大学, 農学部, 教授 (80011906)
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研究分担者 |
山根 明臣 東京大学, 農学部, 教授 (30182588)
有馬 孝礼 東京大学, 農学部, 助教授 (10144057)
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キーワード | スギ / 造林木 / 非破壊検査 / 応力波 / 強度等級区分 / 間伐材 / 立木 |
研究概要 |
需要構造の変化、多様化が進む中で、利用サイドが要求する材質を持つ丸太が量的に十分に、また効率的に工場に提供されているとは言い難い。もし木材が立木の状態で、それが製品化されたときの材質が正しく推定できれば、立木時に各樹木を材質によって等級区分し、その状態で最終用途を見越した最適な間伐計画さらに伐採計画が立てられ、また伐採後にも各工場への丸太の割り振り、さらに工場内での生産ラインへの丸太の配分等が極めて合理的に行なえるという考えから本研究が実施された。最終年度に当たる本年は、前年度の研究成果を踏まえて次のような調査研究が進められた。 すなわち、東京大学千葉演習林、および岐阜県美濃、岡山県勝山町、愛媛県小田町の各民有林のスギ造林地において、それぞれ26ー50本の立木を任意に選び、それらについて応力波伝播時間(△T)を測定して動的ヤング係数(E)を求めた。同時に樹高、胸高直径さらに一部では成長錐を用いて比重、含水率等の測定を行なった。また、サンプリングした立木を伐倒して製材品となし、その材質を測定した。これらの調査結果を総合的に検討した結果、次のような結論が得られた。 (1)△Tが立木→丸太→製材(たいこ挽き)で変わらないことが確かめられた。このことは△Tが重力の影響を受けないこと、また応力波は最短距離を伝播することを示し、これを基本としてEの計算法を検討した。 (2)各立木について測定した比重と応力波伝播速度(v)を用いてEを算出したが、このEとv^2が直線関係にあり、その勾配は各林分によって変わらず0.8を示した。この数値を使えばvのみにてEが得られる。 (3)胸高直径、樹高とEは相関がないことが明らかになった。Eによる除間伐、主伐法の合理性が確かめられ、システム確立の可能性が立った。 (4)本法により立木の内部欠損の判定も可能である。
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