1.テナガエビを15時間明期-水温28℃下で飼育し、繰り返し産卵を確認した後、各脱皮周期において卵巣および血液を採取し、血中ビテロジェンニン量を酵素免疫測定法で、エクジステロイド量をラジオイムノアッセイで測定した。生殖腺体重比(GSI)はC1期より増加し始めD3期に10%とピ-クを示した。雌エビはまもなく産卵脱皮をし、交尾したのち産卵した。血中ビデロジェニン量はB期より増加を始めD0からD1期にかけてピ-クを示したのちやや減少したが、産卵直前まで高値を維持し、産卵脱皮後急減した。血中エクジステロイド量はD1期より増加し始めD3期にピ-クを示したが脱皮後急減した。産卵後A1期に小ピ-クを示したがB1期には減少しD0期まで低値が維持された。 2.テナガエビを12時間明期-水温28℃下で飼育し、産卵せず普通脱皮を繰り返すことを確認したのち、各脱皮周期において卵巣および血液を採取した。血中ビデロジェニン量を酵素免疫測定法で、エクジステロイド量をラジオイムノアッセイで測定した。GSIは常に1%以下であり血中ビデロジェニン量も測定限界以下であったが、エクジステロイド量は産卵脱皮の場合と同様の変化を示すことが判明した。 3.産卵脱皮および普通脱皮の各周期において肝膵臓、サイナス腺等を免疫組織学的に調べたところ、ビテロジェニンの産生場所が肝膵臓であることが判明した。 4.脱皮抑制ホルモンの精製のためY器官の組織培養系の検討を行った。 5.クルマエビにおけるビテロジェニンの酵素免疫測定系を作製するためクルマエビの卵巣からビテリンの精製を各種のクロマトグラフィ-により行い部分精製の段階に至っている。
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