企業家計複合体理論の動学化ならびにその検証に関する研究

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01480083
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 丸山 義皓 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40026472)
• 研究分担者: 黒田 誼 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (60114071) ; 佐々木 康三 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (30003073)
• キーワード: 企業・家計複合体 / 生産・消費者 / 自営業 / 自己雇用 / 労働経済学 / 農業経済学 / 二重構造経済論 / 景気変動論

研究概要

丸山ーBeckenーGhez型の企業・家計複合体の動学理論に対して、Merton等による不確実性下における動学的資産選択理論の結合を試みると共に、既に収集済みの農業関係の資料に加えて、不確実性に対する農業主体の対応に係わる資料を実態調査等によって補強し、上記理論(暫定版)の妥当性を検証した。これまで同様、双対理論に基づいた計測のためインプルメンテ-ションを行ない、フレキシブル関数型をはじめとして種々の関数型による検証に試みられた。これらの計測・検証作業を通して、動学的資産選択理論が企業・家計複合体理論に結合された場合の労働の需給行動ならびに土地・資本需給行動がいかなる様相を呈するかを分析した。特に、労働需給行動の分析においては、家計員の性別、年齢階局別構成ならびに機械化の程度に格段の注意が払われた。それらの成果はJournal of Rural Economics誌およびAmerican Journal of Agricultural Economics誌に発表される予定である。土地・資本需給行動の分析においては、機械および土地ストックの大きさに特に注意が払われ、成果の一部がワシントン大学において開催されたLong Issues in Japan会議において発表され、同会議において発表された他の論文と共に一聞の書物にまとめあげられる予定である。他方、理論面の研究においては、効率賃金、家計内生産の理論等と結合され、国民経済の変動に対する関係が解析された。成果の一部は日本農業経済学会において発表され、『農業経済研究』誌に掲載済みであるが、関連する一連の成果がとりまとめられ、Oxford University Pressから出版される予定である。

研究成果

• [文献書誌] 丸山 義皓: "自営生産部門を含むケインズ型経済の行動" 農業経済研究. 63. 201-201 (1991)
• [文献書誌] Maruyama,Yoshihiro: "SellーEmployment Housebola Production and Aggregate Fluetuations." American Economic Review. 82. (1992)
• [文献書誌] Kang,Wcnebul and Maruyama,Yoshihiro: "The E Heets of Mechanization on the Time Helocation in Farm Households." Journal of Rurel Economics. 64. (1992)
• [文献書誌] Kang,Wirichul and Maruyama,Yoshihiro: "A Further Study on the Time Allocation of Farm Households." American Journal of Agricultural Economics. 74. (1992)
• [文献書誌] Kuroda,Yoshimi: "Estimating the Shadow Values of Farm Land in Japanese Agriculture:1958ー85." Paper presenter at the Conference on“Land Issues in Japan".Univ.of Washington,Sep.22〜24,1991. (1992)
• [文献書誌] Sasaki,Kozo: "Application of Per Capita and Aggregate Household Models of Rotlerdam System to Japanese Food Expenditure Data." European Review Agricultural Economics. (1992)
• [文献書誌] Maruyama,Yoshihiro: "A Theory of Self.Employing Produncers." Oxford University Press, (1992)