研究課題/領域番号 |
01480086
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
穂波 信雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (50081493)
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研究分担者 |
平井 宏昭 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50173208)
梅田 重夫 東京農業大学, 農学部, 教授 (70081461)
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キーワード | 植物物性 / 内部品質 / 生体情報 / 超音波物性 / パルス法 / 伝播速度 / 減衰係数 / 非破壊計測 |
研究概要 |
植物生体の超音波画像による非破壊計測を行うためのシステム構成を試みるため、主に果菜類を対象とした超音波物性の計測及びその解析方法について検討した。超音波画像解析は、すでに動物生体において高度な技術が開発され、実用に供されているが、植物では、細胞組織の構造が異なるため、超音波物性が異なり、従来の方法の適用が困難である。 したがって、ここでは、超音波による植物生体の内部情報を計測するための必要条件を明らかにするため、超音波の入力条件と各植物の超音波伝播速度、減衰特性及び植物物性との関係について検討した。 1 植物物性の超音波計測方法 音響エネルギ-による植物の内部品質を計測するには、入力方法として打撃法、共振法、バルス法などが考えられるが、入出力情報量(伝播速度、減衰特性、固有振動数)及び信号の送・受信の容易性からパルス法を採用し、透過性による計測システムを構成した。システム構成は、パルサ(PM270)、共振周波数110kHzの送・受信セラミックセンサ、ディジタルメモリ、(DMー305)、FFTアナライザ(AD3525)で、供試体は、ダイコン、カブ、サツマイモ、リンゴとし、比較材料として伝播速度が水に等しく、物性値が既知のネオプレンゴムを供試した。 2 計測結果 円柱状供試体を送信センサにより打撃し、その共振減衰波形から、むだ時間より伝播速度、振幅比より減衰特性を求めた。ダイコン、サツマイモ、リンゴでは、伝播速度が、それぞれ約350、214、131m/sで、ネオプレンゴム1647m/sに比較し、著しく小さく、品種による組織構造の違いを示した。一方、同一品種において、水分変化に伴う品質特性は、減衰係数の変化に大きく現われる、したがって、植物の組織構造及び品質に関する超音波物性は、前者では伝播速度、後者では減衰係数が重要なパラメ-タになることが明らかになった。
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