研究課題/領域番号 |
01480088
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正木 淳二 東北大学, 農学部, 教授 (70101152)
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研究分担者 |
佐々田 比呂志 東北大学, 農学部, 助手 (90158931)
梅津 元昭 東北大学, 農学部, 助手 (30005649)
菅原 七郎 東北大学, 農学部, 助教授 (80005602)
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キーワード | ホスホリパ-ゼA / cAMP / プロテインキナ-ゼ / 家蓄精液 / 家蓄精子 / 生理活性物質 / ウシ精漿 / ヤギ精子 |
研究概要 |
ウシ精漿のホスホリパ-ゼA活性については、至適pHが8.5で、ホスファチジルコリンを基質とした場合の活性が最も強く、他の基質に対してはpH7.5以下で全く反応が現れないことを認めた。牛精巣上体尾部精子を用い、ホスホリパ-ゼA_2製剤を加えて透明帯除去ハムスタ-卵子内への精子浸入率に及ぼす効果をしらべた。その結果、ホスホリパ-ゼA_2添加により卵子内への精子浸入率が増加する傾向が認められた。しかし、射出精子では精巣上体精子で見られたほどの効果が現れないことから、この面でも射出精液の精漿中には、すでにホスホリパ-ゼA_2活性の存在することが示された。 精子中にはcAMP依存性のプロテインキナ-ゼが存在し、cAMPを介する特定蛋白質の燐酸化によって精子鞭毛運動が促進されることが知られている。一方、精子中にはcAMPに非依存的に燐酸化される蛋白質の存在も知られている。そこで、本研究でcAMP非依存性の蛋白質燐酸化反応の存在をヤギ精子を用いてしらべた結果、ウニ精子より分離精製されたものと同様のプロテインキナ-ゼが存在することが明らかになった。この結果はカゼインキナ-ゼII様プロテインキナ-ゼが動物精子に普遍的に存在し、本キナ-ゼによる特定蛋白質の燐酸化が精子の生理機能になんらかの役割を果たしていることを示している。本酵素の生理的役割を明らかにするためには、実際に燐酸化されている蛋白質の存在をin vivo実験で確かめ、特定された蛋白質の生理活性を明らかにする必要があると考えられた。
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