研究課題/領域番号 |
01480089
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
近宗 干城 筑波大学, 農林学系, 教授 (00015645)
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研究分担者 |
石川 尚人 筑波大学, 農林学系, 助手 (20202963)
田島 淳史 筑波大学, 農林学系, 助手 (40207030)
本間 秀弥 筑波大学, 農林学系, 講師 (60015782)
金井 幸雄 筑波大学, 農林学系, 助教授 (40015871)
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キーワード | buffalo / body temperature / heart rate / heat production / blood constituents |
研究概要 |
沼沢水牛とホルスタイン牛を高温度条件で変動(最高35℃、最低25℃24時間周期のサインカ-ブ、相対湿度60%)するズ-トロン(農水省蓄産試験場)に収容し絶食状態での熱産生量と生理諸元を比較したところ、水牛の代謝体重当りの熱産生量は牛に比べて有意に低かった(水牛:34.9kcal,牛:51.2kcal)。これは、牛の場合高温にさらされると直ちにパンチングを作動させて体温を一定に保とうとするのに対して、半変温動物である水牛は、体温が上昇してある閾値に達するまで、パンチングによる放熱促進を行なわないためと考えられる。また、室温を20℃、30℃、35℃の3条件に各7日間おいたのち血液量、細胞外水分量、ヘモグロビン量、赤血球数、ヘマトクリット値、直腸温度を測定した実験では、牛の血液量がいずれの温度区においてもほぼ一定であるのに対して、水牛の血液量は環境温度の上昇に伴って増加することが認められ、この増加は主として血漿の増量に起因することが明らかになった。他方、20℃、30℃、35℃各一定のときならびに20℃から30℃、30℃から35℃、35℃から20℃に環境温度を変化させたときの直腸温度、皮下温度および皮膚表面温度の変化を調べた実験で、水牛の直腸温度はホルスタイン牛に比べて、環境温度の上昇に伴ってより急激に増加することが観察された。この場合、水牛の皮膚表面温度も環境温度の上昇に伴って有意に増加、30℃、35℃区においては、ホルスタイン牛より高くなった。水牛の皮下温度の変化量も牛に比べて大きいことが示された。これらの結果から、高温度環境下において認められた水牛の血液量の増加は、体深部に蓄積した熱の体表面への活発な移動を伴うことが明らかになった。
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