研究課題/領域番号 |
01480099
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
奥村 純市 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023425)
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研究分担者 |
古瀬 充宏 名古屋大学, 農学部, 助手 (30209176)
村松 達夫 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60166303)
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キーワード | コレシストキニン / ニワトリ / アミラ-ゼ / トリプシノ-ゲン / キモトリプシノ-ゲン / スレオニン / フェニルアラニン / トリプシンインヒビタ- |
研究概要 |
我々は既にコレシストキニン(CCK)と同時に投与すると、ニワトリの膵臓消化酵素の分泌を促進するアミノ酸が9種類あることを報告した。本研究では、個々のアミノ酸がもっていた膵臓消化酵素の分泌に対する刺激がアミノ酸の組合せにより、それぞれのアミノ酸の有する作用が拮抗的に、あるいは協同的に発現するということを明らかにした。分泌促進作用を持つ9種類のアミノ酸のうちでThrはアミラ-ゼ(AMY)を、Pheはトリプシノ-ゲン(TRY)を、またlleはキモトリプシノ-ゲン(CYM)だけを選択的に分泌促進させることが明らかにされていたので、この3種類のアミノ酸を種々組合せCCKと同時投与し、9種類全部の組合せと比較した。AMY、TRYならびにCYMの分泌は9種混合で高くなったが、Thr、Phe及びlleの3種混合でも同程度の分泌刺激を示した。さらに3種混合から1つずつアミノ酸を除いた場合の効果を調べたところ、Thr+Pheは9種混合や3種混合と同等の作用を持つことが示された。ところがThr+lleやPhe+lleでは効果が減少した。これらよりニワトリの膵臓消化酵素分泌にはThrとPheが重要な役割をもつと考察した。以前よりトリプシンインヒビタ-(TI)が消化酵素の分泌を高めることが知られていたが、その機構については明らかでなかった。本研究ではTIを飼料と共に0(コントロ-ル)、100ならびに1000ppm投与し、その後の血液中のCCK濃度を経時的に調べた。コントロ-ル群のCCK濃度は、投与後60分で投与前の値より有意に高くなった。一方、TIを100ならびに1000ppm投与した群では、投与後15分でCCK濃度の急激な上昇が見られた。またその効果と濃度に依存しており、1000ppmで高かった。以上より、TIによる消化酵素の分泌はCCKの分泌を介していることが明らかとなった。
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