研究課題/領域番号 |
01480105
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松本 治康 山口大学, 農学部, 教授 (40081541)
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研究分担者 |
宇塚 雄次 山口大学, 農学部, 助手 (30151913)
徳力 幹彦 山口大学, 農学部, 教授 (60012001)
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キーワード | 脳波 / ビ-グル / 周波数分析 / トポグラフィ- / 鎮静剤 / 筋弛緩剤 / α波 |
研究概要 |
獣医学領域では、脳波検査はあまり普及しておらず、そのためその評価も検査者の視察による主観によって成されているのが現状である。そこで今回、我々は脳波の記録方法とともに、その検査結果を評価する上でコンピュ-タ-解析を利用することにより、客観的な判定が行えないかどうかを推察するためにその基礎デ-タを収集した。実験には臨床的に健常なビ-グル犬(雄5頭、雌1頭)を用いた。鎮静・麻酔薬は今後色々と使用する予定であるが、今年度は記録機器のセッティングに時間を要したため、アトロピン・クロルプロマジンとミオブロックの併用しか行なえなかった。記録方法はエナメル銅線鉤針電極を用いてReddingの記録方法の変法による単極4導出、双極4導出の8誘導を記録する方法と、国際10ー20法に基づく単極12導出による誘導を併用した。前者ではフ-リエ変換によるパワ-スペクトルを求める周波数分析を、後者ではトポグラフィ-(脳電位マッピング法)を利用して解析を行なった。これにより鎮静剤と筋弛緩剤の併用では、周波数分析により主にα波帯が優位に出現している例が多いことがわかった。これは4つの単極、各双極誘導で特に極だった変化はなく、どの導出からもα波帯のパワ-が認められた。α波はヒトでは安静、閉眼状態で出現することがよく知られている。今回用いた動物は長年研究室で馴化され、実験に慣れているためこのような結果が得られたものと思われる。ヒトではα波は後頭部で優位性を示すと言われているが、イヌではあまり顕著な傾向は認められなかった。またマッピング法では、α波帯を初めとしてθ波帯、β波帯、どの周波数帯域においても、頭皮上全体が概ね等電位であった。これはおそらく頭皮上から得られる脳波は全搬的に同期化しているためと考えられた。次年度以降はその他様々な薬物を使用した時の脳波をコンピュ-タ-解析していく予定である。
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