研究課題/領域番号 |
01480105
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松本 治康 山口大学, 農学部, 教授 (40081541)
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研究分担者 |
宇塚 雄次 山口大学, 農学部, 助手 (30151913)
徳力 幹彦 山口大学, 農学部, 教授 (60012001)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 脳波 / パワ-スペクトル / トポグラフィ- / 化学的拘束 / 神経系疾患 / 視覚化・定量化 / パワ-の局在・非対秒 / Quantitazation・Visualization |
研究概要 |
脳波を視覚的に容易に評価する方法として脳波のコンピュ-タ解析が行われている。そこで臨床上健常なイヌ・ネコを用い、(1)色々な化学的拘束法を用いて脳波を記録し、脳波検査時に最も適当な薬物を選択する、(2)パワ-スペクトルおよびトポグラフィ-により脳波を視覚化および定量化する、(3)各薬物投与下における脳波の診断基準を設定することを目的に実験を行った。さらに、自然発生の神経系疾患をもつイヌ・ネコの脳波検査を行い、スペクトル分析およびトポグラフィ-を指標としてその異常の判定について検討した。1.パワ-スペクトル分析から、総パワ-はキシラジンとケタミンの併用およびクロルプロマジンと臭化パンクロニウム併用投与時に低い値を示すこと、キシラジンではθ波以上の高周波にはパワ-が少ないこと、臭化パンクロニウムとハロタンでは他の薬物に比べてδ波帯域比が有意に小さいことが示唆された。2.トポグラフィ-では、キシラジン、キシラジンとケタミンの併用時などのように広汎性に低密度な分布を示すグル-プと、キシラジンとペントバルビタ-ルの併用、イソフルラン投与時のように比較的高密度の局在の現れやすい分布をもつグル-プに二分された。3.自然発生の神経系疾患をもつイヌ・ネコでは総パワ-値および帯域比を診断の指標として用いたところ、28例中25例が異常と判定された。4.神経系疾患をもつイヌ・ネコのトポグラフィ-では、視覚化によりパワ-局在や非対秒の判読が容易になり、17例中15例に異常が認められた。以上により、脳波は記録時に投与する鎮静・麻酔薬により大きく変化するため、その評価は使用薬物を十分に考慮して行う必要があり、スペクトルの結果から、異常脳波の判読には4Hz以上で比較的低パワ-を示す薬物が適すると思われた。また、コンピュ-タ解析は脳波の判読を容易にすることから、イヌ・ネコの脳波を評価する場合の有効な方法と思われた。
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