研究課題/領域番号 |
01480112
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
井端 泰彦 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079684)
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研究分担者 |
一谷 幸男 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80176289)
高木 新 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90171420)
福居 顕二 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50165263)
岡村 均 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60158813)
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キーワード | 視交叉上核 / VIP / mRNA / in situ hybridization / 画像解析 / 日内変動 / 視神経入力 / ラット |
研究概要 |
種々の生体機能の概日リズムのセンタ-と見なされる視交叉上核について次の点を明らかにした。(1)視交叉上核に分布するVIPニュ-ロンに対する網膜よりの線維入力:ラットを用い、眼球摘出により出現する視交叉上核内に認められる変性線維とVIP免疫陽性ニュ-ロンの樹状突起との間にシナプス形成を電子顕微鏡下に確認した。この結果は、網膜からの視交叉上核への投射線維が直接VIPニュ-ロンに入力し、VIP産生に影響を与えると考えられる。(2)視交叉上核に分布するVIPニュ-ロンにおけるVIP mRNAの日内変動について:ラットを用い、08.00h、14.00h、20.00h、02.00hの時刻に4%パラホルムアルデヒド溶液で灌流、視交叉上核の凍結切片を作成、[^<35>S]で標識したVIP cDNAを用いin situ hybridizationを行い、切片をX線フィルムに感光及びオ-トラジオグラフィ-を行いVIP mRNAの観察を行った。mRNAの分布は視交叉上核腹側部に分布するVIPニュ-ロンの細胞体に一致し多数の銀粒子が認められた。また、X線フィルムを画像解析装置によりコンピュ-タ-処理した結果、mRNA量は20.00h、02.00hで高値を示し、14.00hで低値を示す、即ち日内変動を示すことが明らかとなった。われわれは既にVIP免疫反応の日内変動を明らかにしているが、免疫反応性が高値を示すに先立ちmRNAが高値を示すことも明らかになった。このmRNAの日内変動の要因がlight on、light offのどちらであるかについて検討中である。(3)guinea pig視交叉上核の微細構造:生体リズムの研究にラットと共に良く用いられるguineapigについて電顕的に観察を行った。現在、視交叉上核に分布するもう一つの主要ニュ-ロンであるバソプレシンニュ-ロンに対するVIPニュ-ロンのシナプス関与などについて精査すると共に、mRNA、免疫反応の個体発生における変化などについて検討している。
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