furaー2を用いた細胞内カルシウム濃度の測定をマウス巨核球細胞(Mega)に応用した結果、以下の実験事実が得られた。 1)血漿板活性化物質であるADP(アデノシンニリン酸)は、Megaの細胞内カルシウム濃度を濃度依存性に増加させた。2)細胞内カルシウム変化は低濃度ADPでは一相性かつ一過性であるが、高濃度では二相性で持続性部分を示した。3)血漿板におけるサイクィックAMP(cAMP)産生物質であるプロスタグランジンE1(PGE1)は、ADPによる細胞内カルシウム上昇反応と拮抗的に作用し、この拮抗作用は、タンパクリン酸化酵素阻害剤であるHー8により抑制された。4)パッチクランプ法を用いた細胞内へのcAMP投与を試みた結果、cAMPはADPによるカルシウム上昇反応をPGE1と同様に抑制した。5)cAMPと同様にADP反応の抑制は、サイクリックGMPを用いても再現された。 単一ラット膵外分泌腺腺房細胞での膜容量変化の測定を行った結果、以下の実験事実が得られた。 1)VIPは細胞内カルシウムの変化を伴わずに膜容量の増加反応を誘発した。2)VIP誘発反応は膜透過性cAMP(ジブチリルcAMP:dbcAMP)により再現された。3)dbcAMP依存性膜容量増加反応は、細胞内へ投与されたGTPおよびGDPの非水解性アナログによりそれぞれ、増強あるいは減弱させられた。4)以上より、A-キナ-ゼによる開口放出反応には、GTP結合タンパクの関与が示唆された。
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