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1989 年度 実績報告書

細胞増殖誘発の細胞内情報伝達機構に関する生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480117
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

宮崎 俊一  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80010081)

研究分担者 押味 和夫  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40089991)
キーワード細胞増殖 / 受精 / 細胞内カルシウムイオン / 細胞内情報伝達 / 増殖刺激因子
研究概要

卵細胞や未分化血液細胞の増殖誘発に対して、細胞内カルシウムイオン(Ca^<2+>)が引き金として機能するか否かを調べるため、細胞外に、精子、成長因子、神経伝達物質、細胞増殖刺激因子、抗体、等を投与し、また細胞内因子を微量注入し、細胞内のCa^<2+>増加を、Ca^<2+>選択性蛍光試料fura2をとりこませた細胞でその蛍光をテメビカメラでとらえ、画像処理(購入したイメ-ジプロセッサ-を使用)を行なった。今年度は、Ca^<2+>顕微画像解析装置のセットアップとテストにかなりの時間を費やした。
受精時の卵賦活におけるCa^<2+>増加反応とそれに至る情報伝達機構については、既にゴ-ルデンハムスタ-卵で、精子・卵結合→G蛋白の活性化→phospholipaseCの活性化→イノシト-ル3リン酸(IP_3)の産生→IP_3による細胞内Ca^<2+>遊離、という経路を示唆する結果を報告した、今回、1).IP_3の未受精卵内注入がall-or-none的にCa^<2+>遊離を誘発すること、この作用はヘパリンにより抑制され、また精子によるCa^<2+>増加反応もヘパリンで抑制されることを確認した。2).IP_3と共に産生されるdiacylglycerolとそれによって活性化されるprotein kinaseCの系は、G蛋白の活性化を介するCa^<2+>増加反応に対してnegative feedbackとして抑制的に作用することを明らかにした。3).細胞外因子としてセロトニン(5-HT)がCa^<2+>増加反応をおこし、細胞内GTPと協調してG蛋白を活性化し、またprotein kinaseCを介するフィ-ドバック抑制が、細胞外因子に対する脱感作の一因であることを観察した。
血液細胞については、まず正常者未梢血を比重遠心で分離した単核球に対するOKTー3抗体(抗CD_3)及びPHA(phytohemagglutinin)によるCa^<2+>増加反応を観察し、次いで、急性巨核芽性白血病細胞由来の細胞株CMKについて、プロスタグランディンE_1、インタ-ロイキン3、GMーCSF(glanulocyte macrophage colony stimulating factor)を投与し、細胞内Ca^<2+>の変化を調べた。ILー3、GMーCSFについては、有意のCa^<2+>増加は得られていない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Swann;Y.Igusa;S.Miyazaki: "Evidence for an inhibitory effect of protein kinase C on G-protein mediated repetitive calcium transients in hamster eggs." EMBO Journal. 8. 3711-3718 (1989)

  • [文献書誌] S.Miyazaki;Y.Katayama;K.Swann: "Synergistic activation by serotonin and GTP analogue and inhibition by phorbol ester of cyclic Ca^<2+> rises in hamster eggs." Journal of Physiology(London). (1990)

  • [文献書誌] S.Miyazaki;K.Swann;Y.Katayama;Y.Igusa: "Negative feedback inhibition by protein kinase C on G-prateinmediated repetitive calcium transients in hamster eggs." Japanese Journal of Physiology. 39. S33 (1989)

  • [文献書誌] Y.Katayama;K.Swann;S.Miyazaki: "Serum and serotonin facilitation of GTPrS-induced repetitive increase in intracellular calcium ions in hamster eggs." Japanese Journal of Physiology. 39. S44 (1989)

  • [文献書誌] S.Miyazaki: "Cell signalling at fertilization of hamster eggs." Journal of Peproduction and Fertility. (1990)

  • [文献書誌] S.Miyazaki: "Calcium wave in activating hamster eggs." Biological Balliten. 176. 21-24 (1989)

  • [文献書誌] S.Miyazaki: "Mechanisms of Egg Activation edited by R.Nuccitelli,G.N.Cherr and W.H.Clark Jr." Prenum Press, 290 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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