研究課題/領域番号 |
01480120
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
|
研究分担者 |
小室 仁 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40195863)
酒井 哲郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40153845)
廣田 秋彦 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50156717)
|
キーワード | 膜電位感受性色素 / 光学的測定 / メロシアニンロ-ダニン / 初期胚 / 脳幹 / 迷走神経 |
研究概要 |
膜電位感受性色素を用いたニュ-ロン活動の光学的多領域同時記録法を用いて、迷走神経線維束の電気刺激によってひき起こされる発生初期鶏胚脳幹内のニュ-ロンの電気的応答を多数部位から同時記録し、そのマッピングをおこなった。 ふ卵7日の鶏胚から迷走神経をつけた脳幹標本を作成し、メロシアニンロ-ダニン系膜電位感受性色素NK2761で染色した。標本は光学的多部位同時記録システムの光学系のステ-ジにマウントされ、迷走神経線維束に取り付けた吸引電極による電流刺激によって引き起こされるニュ-ロン応答を光学的に測定した。測定は標本上の127ケ所からの同時記録を測定領域を移動させて数回おこない、標本上の最高1000ケ所以上からデ-タを得、それをもとに、光学的に記録したニュ-ロン活動のマッピングをおこなった。 脳幹から記録された光学的シグナルは刺激パルスから一定の遅れをもって出現し、テトロドトキシン感受性であることから、伝導性のNaスパイクであることが明らかになった。又、電気緊張性電位変化や陽極開放興奮も光学的に記録することができた。 活動電位の記録される領域は、脳幹内では、刺激側の正中よりに存在し、腹側からみると、頭尾方向にのびた長円形をなし、横断したスライス標本でみると、脳幹の背側表面近くに局在していることが明らかになった。この結果ふ卵7日という発生初期の時期にすでにNaスパイクを発生させる機能を持った神経細胞が脳幹の一定部位に集合し、迷走神経核の機能形成が進行しつつあることが示された。
|