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1989 年度 実績報告書

侵害受容被殻説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 01480123
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

横田 敏勝  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10001752)

研究分担者 高橋 亨  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80206820)
小山 なつ  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50135464)
キーワード視床 / 後外側腹側核 / 腹側基底核群 / 特異的侵害受容ニュ-ロン / 広作動域ニュ-ロン / ブラジキニン / 大縫線核 / 中脳中心灰白質
研究概要

1.ネコの視床後外側腹側核尾側部被殻領域から特異的侵害受容ニュ-ロンと広作動域ニュ-ロンを検出して、下心臓神経電気刺激に対する反応を確認した後、右心房内に体重1kg当り2μgのブラジキニンを注入した。その結果、下心臓神経からの入力を受ける侵害受容ニュ-ロンのすべてがブラジキニン右心房注入に反応して興奮することが判った。下心臓神経に含まれる求心性線維のうち、ブラジキニンに反応するものが心臓痛の発現に寄与すると考えられている。視床後外側腹側核被殻領域の侵害受容ニュ-ロンは、大脳皮質の体性感覚野への皮膚からの痛覚情報を中継するとみられるところから、このニュ-ロンの一部が下心臓神経からの入力を受け、皮膚からの痛覚情報と心臓痛の情報を大脳皮質の体性感覚野へ中継していることが示唆された。
2.ネコの視床腹側基底核群(後内側腹側核固有部と後外側腹側核)の尾側部被殻領域に分布する特異的侵害受容ニュ-ロンと広作動域ニュ-ロンにHRP法を注入して、機能的に同定された侵害受容ニュ-ロンの形態を明らかにした。その結果、侵害受容ニュ-ロンの細胞体が被殻領域に分布し、その樹状突起が腹側基底核群の辺縁に沿って帯状に数mm伸びていることを見出した。樹状突起が多数進入する神経核と、ほとんど進入しない神経核群があることも見出された。
3.延髄大縫線核と中脳中心灰白質の電気刺激が視床腹側基底核群尾側部被殻領域の特異的侵害刺激ニュ-ロンと広作動域ニュ-ロンの末梢刺激に対する反応を抑制すること、またこの抑制が脊髄後角や三叉神経脊髄路核尾側亜核における抑制機序ばかりでなく、腹側基底核群尾側部被殻領域に直接作用する機序に依存していることを示す成績がえられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Asato F.and Yokota T.: "Responses of neurons in nucleus ventralis posterolateralis of the cat thalamus to hypogastric inputs." Brain Res.488. 135-142 (1989)

  • [文献書誌] Yokota T.: "Thalamic mechanism of pain:Sell theory of thalamic nociception." Jpn.J.Physiol.39. 335-348 (1989)

  • [文献書誌] Koyama N.,Terada M.and Yokota T.: "Electrophysiological changes in the fasciculus gracilis of the cat following chronic clioquinol administration." J.Neurol.Sci.94. 271-282 (1989)

  • [文献書誌] Horie H.and Yokota T.: "Responses of nociceptive VPL neurons to intracardiac injection of Bradykinin in the cat." Brain Res.

  • [文献書誌] 横田敏勝: "臨床医のための痛みのメカニズム" 南江堂, 164 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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