研究課題/領域番号 |
01480129
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
赤須 崇 久留米大学, 医学部, 教授 (60113213)
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研究分担者 |
蓮尾 博 久留米大学, 医学部, 講師 (90172882)
時政 孝行 久留米大学, 医学部, 助教授 (50155511)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | 細胞内電極法 / ラット視交叉上核 / 自発性活動電位 / 内向き整流 / Hー電流 / カルシウム電流 / 興奮性シナプス後電位 / 抑制性シナプス後電位 |
研究概要 |
雄ラット視交叉上核ニュ-ロンの静止電位は-55±8mV、膜の入力抵抗は220±10MΩでほとんどのニュ-ロンにおいて自律性にかつ一定の発火頻度を持つ(3ー10Hz)で発火する活動電位が観察された。視神経交叉部を焦点刺激すると、興奮性シナプス後電位(EPSP)及び抑制性シナプス後電位(IPSP)が記録されたが、前者はAPV+CNQXで遮断され、後者はビククリンで遮断された。従って、この網膜からの興奮性アミノ酸及びGABAによって伝達される神経入力がこの働きに関与している。このニュ-ロンから内向き整流(inward rectification)が観察されたが、これは細胞外のCs(1 mM)で完全にブロックされ、Ba(200μM)ではほとんど影響を受けないことから、非選択性の陽イオンチャネルの活性化によって発生するH電流(IH)と考えられる。また、内向き電流パルスで過分極させると、パルスの終了時に一過性の脱分極電位が生じ、これによって活動電位が生じた。この脱分極電位は、カルシウムチャネル阻害剤であるカドミウム(500μM)で遮断されたことから、lowーthreshold Caーspikeと考えられる。従って視交叉上核ニュ-ロンは、内在性にH電流とlowーthreshold Caーspikeを利用した自発性活動電位の発生機構を持ち、一種のペ-スメ-カ-としての能力を持っていると考えられる。視交叉上核ニュ-ロンにおける自発性活動電位の発生機構を単一ニュ-ロンを用いて検討した。0.1%トリプシン(typeXI)と0.05%コラゲナ-ゼで処理した脳スライスをパスツ-ルピペットを用いて静かにpipettingし、細胞を分離した。得られた視交叉上核ニュ-ロンの直径は約3ー8μで樹状突起を有していた。現在、単離した細胞からパッチ電極を用いて細胞内電位やホ-ルセル電流を記録している。静止電位や自発性活動電位の発生については、これまでの結果とほぼ同様であったが、詳細な分析には至っていない。
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