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1989 年度 実績報告書

細胞内Ca^<2+>作用に関する分子薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480141
研究機関熊本大学

研究代表者

宮本 英七  熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)

研究分担者 太田 安隆  熊本大学, 医学部, 助手 (90192517)
山本 秀幸  熊本大学, 医学部, 助手 (60191433)
キーワードカルシウムイオン / カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素 / 基質蛋白質 / P_<400>蛋白質 / コフィリン / 小脳培養細胞
研究概要

ある種のホルモン、神経伝達物質、増殖因子などの細胞刺激因子は、細胞内にcAMP、cGMPの上昇、細胞膜のイノシト-ル燐脂質代謝回転の促進、細胞内へのCa^<2+>動員の増加を惹起することにより、種々の細胞機能発現に関与している。これらの細胞内調節因子は、その作用を発揮するに際しては、すべてではないが、それぞれに固有のプロテインキナ-ゼを活性化し、蛋白質燐酸化反応を介して、その効果を発揮している。私達はCa^<2+>に焦点をしぼり、その作用と作用機構を検索している。カルモデュリンは細胞内Ca^<2+>作用を伝達する重要因子である。カルモデュリンの脳内における作用のいくつかは、新しく見出された高分子量を示すCa^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナ-ゼII(CaMキナ-ゼII)によって伝達されている。私達は本酵素の性質について数年来研究を続けてきた。本研究では、CaMキナ-ゼIIの機能的意義を調べる目的で、基質蛋白質を調べた。1.小脳プルキンエ細胞に局在するP_<400>蛋白質は、イノシト-ル1,4,5トリス燐酸(IP_3)の受容蛋白質であることがわかった。IP_3が細胞貯蔵部位からのCa^<2+>放出をおこすことから、P_<400>蛋白質は小胞体のCa^<2+>放出チャネルである可能性が示唆されている。私達は本蛋白質がCaMキナ-ゼIIの基質として役立つことを明らかにした。(1)精製したP_<400>蛋白質は脳CaMキナ-ゼIIによって燐酸化された。(2)脳膜標本を調製し、脳CaMキナ-ゼIIと反応させると、P_<400>蛋白質の燐酸化を認めた。(3)小脳培養細胞を放射性正燐酸とインキュベイトすると、本蛋白質の燐酸化を認めた。2.in vitroの実験で、調べた範囲の酵素の中で、CaMキナ-ゼIIのみによって燐酸化されるコフィリンは、熱ショックを与えると、細胞核内に移行する。この反応には、本蛋白質の脱燐酸化反応の伴っていることがわかった。上記のいずれの研究もさらに検索を続けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yasutaka Ohta: "Dephosphorylation of cofilin accompanies heat shock-induced nuclear accumulation of cofilin" Journal of Biological Chemistry. 264. 16143-16148 (1989)

  • [文献書誌] Hideyuki Yamamoto: "Phosphorylation of P_<400> protein by cyclic AMP-dependent protein kinase and Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II" Journal of Neurochemistry. 53. 917-923 (1989)

  • [文献書誌] Yoshiki Saitoh: "Characterization of polyclonal antibodies to brain protein phosphatase 2A and immunohistochemical localization of the enzyme in rat brain" Brain Research. 489. 291-301 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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