研究課題/領域番号 |
01480142
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
松田 友宏 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40028361)
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研究分担者 |
河辺 真由美 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90117862)
津島 宏美 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10080079)
藤本 征五 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (60079994)
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キーワード | 視床下部 / バソプレッシン / 神経ペプチド / 視索上核 / 室旁核 / 微量注入 / 抗利尿 |
研究概要 |
ムスカリン様アゴニスト、オキソトレモリンoxotremorineを水負荷、エタノ-ル麻酔により尿量を一定にしたラットの視床下部バソプレッシンニュ-ロン神経核視索上核supraoptic nucleus(SON)と室旁核paraventricular nucleus(PVN)に微量注入すると、強い抗利尿作用が発現された。この抗利尿作用の時間経過は微量注入後20分ないし40分で最大の抗利尿作用を示し、微量注入後約1時間で注入前の対照レベルに回復した。抗利尿作用の50%有効濃度(ED50)はSONに微量注入した時、約0.3nmol.PVNに微量注入した時、約0.2nmolであった。この抗利尿作用はムスカリン様アンタゴニスト、アトロピンの同神経核への微量注入による前処置で完全に遮断された。この抗利尿作用は尿量の減少に尿浸透圧の上昇が併っていた。抗利尿作用以外の他の生理機能、例えば平均血圧、心拍数、呼吸数、直腸温の変化はオキソトレモリンをSONに微量注入した時には認められなかったが、オキソトレモリンをPVNに微量注入した時には平均血圧がわずかに変化した(約10mmHgの低下)。バソプレッシン(AVP)のV_1V_2アンタゴニストであり、V_2(抗利尿)のアンタゴニスト活性が最も強いバソプレッシンアナログペプチド、d(CH_2)_5ーDーTyr(Et)V AVP(ハイデルベルグ大ホフバウエル教授提供)を静脈内に前処置すると、オキソトレモリンの微量注入による抗利尿作用は完全に遮断された。以上の結果より、オキソトレモリンが視床下部のSONならびにPVNに局在するムスカリン様アセチルコリン受容体を刺激することによってAVPを放出させ、これが腎蔵に局在するAVP(V_2)受容体を介して抗利尿作用をひきおこしていることが明らかにされた。
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