研究課題/領域番号 |
01480150
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
竹下 正純 大分医科大学, 医学部, 教授 (50019551)
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研究分担者 |
調 恒明 大分医科大学, 医学部, 助手 (50179058)
指吸 俊次 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00019564)
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キーワード | 脂肪酸伸長酵素 / モノ不飽和脂肪酸 / CHAPSO / thiolesterase / 副腎白質ジストロフィ- / 白血球 / 脂肪酸縮合酵素 / 極長鎖脂肪酸 |
研究概要 |
ミクロソ-ムの脂肪酸伸長酵素系は体細胞に普遍的に存在しており、反応は縮合、還元、脱水、還元の4段階に分かれる。本研究ではミエリン形成に関連した重要な脳の脂肪酸伸長酵素系の第1段階の縮合反応の解析を行い、さらに今まで研究の成されていなかった白血球および血管における脂肪酸伸長活性の測定を行った。 脂肪酸縮合酵素の可溶化剤として従来使われていたCHAPSに比し更に有効なCHAPSO(ミクロソ-ム1mg/mlに終濃度0.6%に加える)が開発された。煮沸ミクロソ-ム、牛血清アルブミンなどの活性増強効果の機構を追及していく過程で、脳細胞中に縮合反応を阻害する要因があることが判明し、これが細胞質中のthiolesteraseであり、縮合反応によって生成されたβーketoacylーCoAを分解している可能性を示す新事実が明らかになった。 新潟大・脳研、宮武正教授から副腎白質ジストロフィ-(ALD)3症例の培養線維芽細胞の提供を受け、これについて20:0ーCoAおよび24:0ーCoA縮合活性の測定を行った。ALDにおける縮合活性は両基質共健康人との差は認められなかった。 ブタ白血球よりミクロソ-ムを分離し脂肪酸伸長活性の測定を行った。16:0ーCoA伸長活性のみならず20:0ーCoAなどの極長鎖脂肪酸伸長活性もかなり強いことが判明した。これらの反応を解析した結果20:0ーCoAから22:0ーCoAへの伸長にはSH試薬感受性活性中心があり得ること、20:0ーCoAから24:0ーCoAへの経路と22:0ーCoAからの経路が異なっていることが示された。 ブタ胸腹部大動脈壁細胞ミクロソ-ムの飽和脂肪酸伸長系に対しモノ不飽和脂肪酸が抑制を示すことが見出された。このことはモノ不飽和脂肪酸の脳卒中抑制効果と関連して興味が持たれる。
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