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1989 年度 実績報告書

シュウ酸生成機構と原発性高シュウ酸尿症工型についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480153
研究機関浜松医科大学

研究代表者

市山 新  浜松医科大学, 医学部, 教授 (90025601)

キーワードシュウ酸生成 / セリン:ピルビン酸アミノ転移酵素 / 原発性高シュウ酸尿症工型 / ペルオキシゾ-ム / ミトコンドリア標的シグナル / グリコ-ル酸 / グリオキシル酸
研究概要

終末代謝産物であるシュウ酸のCa塩は水に難溶であるため尿路結石等の原因となる。本研究では、(1)原発性高シュウ酸尿症工型の欠損酵素であるセリン:ピルビン酸アミノ転移酵素(SPT)のcDNA、遺伝子のクロ-ニング、構造決定、発現調節機構と発現産物(ヒトSPT)のペルオキシゾ-ム(PS)局在性決定機構の解析、(2)シュウ酸の直接の前駆体とされているグリコ-ル酸、グリオキシル酸からのシュウ酸生成機構を明らかにすることを目的とした。平成元年度には、ヒトSPTのcDNAを得てその構造を明らかにし、目的(2)については酵素レベル、オルガネラレベルでの実験を行った。1.ヒトSPT cDNAクロ-ンの単離と構造決定--ヒト肝ポリ(A)^+RNAよりPhagemidベクタ-pT_7T_318Uを用いてcDNAライブラリ-を作成し、ラットSPTcDNAを プロ-ブとしてヒトSPTに対する全コ-ド領域を含む2個の陽性クロ-ンを単離した。塩基配列からヒトSPTはラットSPTと同じく392個のアミノ酸残基からなり、またラットSPTと79.3%の相同アミノ酸配列を持つことが明らかになった。更にRNAブロット解析、in vitro翻訳実験でヒトSPTのmRNA、翻訳産物はそれぞれラットペルオキシゾ-ムSPTのmRNA、翻訳産物と同じく約1700nt、約43KDaであった。しかし、このヒトcRNAの5′末端部にラットミトコンドリアSPTのmRNAに見られるN末端延長ペプチド(ミトコンドリア標的シグナル)対応塩基配列が存在した。ヒトSPT遺伝子の発現ではこのN末端延長ペプチドに対応する部分を非コ-ド領域とするような転写開始点決定機構が働いているのではないかと推測される。2.シュウ酸生成に関与する酵素の同定--グリコ-ル酸からのシュウ酸生成は必ずグリオキシル酸を経由することが酵素レベル、オルガネラレベルの実験で確認された。この過程への関与が予想される個々の酵素の特異的な阻害剤、自殺基質を合成等で得た。現在初代培養肝細胞での実験を準備中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Miyajima,H.,Oda,T.,and Ichiyama,A.: "Induction of mitochondrial serine:pyruvate aminotransferase of rat liver by glucagon and insulin throygh different mechanisms." The Journal of Biochemistry. 105. 500-504 (1989)

  • [文献書誌] Oda,T.,Miyajima,H.,Suzuki,Y.,Ito,T.,Yokota,S.,Hoshino,M.,and Ichiyama,A.: "Purification and characterization of the active serine:phyruvate aminotransferase of rat liver mitochondria expressed in Escherichia coli" The Journal of Biochemistry. 106. (1989)

  • [文献書誌] Oda,T.,Funai,T.,and Ichiyama,A.: "Generation from a single gene of two mRNAs that encode the mitochondrial and peroxisomal serine:pyruvate aminotransferase of rat liver" The Journal of Biologicai Chemistry. 256. (1990)

  • [文献書誌] Yanagawa,M.,Maeda-Nakai,E.,Yamakawa,K.,Yamamoto,I.,Kawamura,J.,Tada,S.,and Ichiyama,A.: "The formation of oxalate from glycolate in rat and human liver." Submitted for publication.

  • [文献書誌] Nishiyama,K.,Berstein,G.,Funai,T.,Ito,T.,Oda,T.,and Ichiyama,A.: "Cloning and nucleotide sequence of cDNA encoding human liver serine:pyruvate aminotransferase." Manuscript for publication in preparation.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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