研究課題/領域番号 |
01480157
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
榊 佳之 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (10112327)
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研究分担者 |
佐々木 裕之 九州大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (30183825)
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キーワード | アミロイド / 遺伝病 / 神経難病 / トランスサイレチン / アルツハイマ-病 / アミロイド-シス / ベ-タたん白 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
アルツハイマ-病、アミロイド-シスなどアミロイド沈着を伴う神経疾患の発症のメカニズムを解明することを目的として、アミロイド形成の原因となる蛋白質の構造的特色を遺伝子工学の手法を用いて解析した。 先づ家族性アミロイド-シスの病因であるトランスサイレチンの変異体(8種類のものが知られている)を大腸菌を用いて大量に生産させるシステムを開発した。このシステムにより従来は得ることのできなかった変異型トランスサイレチンの精製品をうることができるようになった。このシステムで生産されたトランスサイレチンは天然のものもと同様に4量体を形成し、サイロキシン(T4)の結合活性及びレチノ-ル結合蛋白との結合能を持っていた。現在、これらの蛋白の結晶化を試みている。これらをもとに野性型と変異型との物性の相異を明らかにする。 アルツハイマ-病アミロイドの主成分は42アミノ酸から成るβアミロイド蛋白(BP)である。我々はこのBPの前駆体の特性を知るため、その遺伝子の全構造を決定した。その結果、BP前駆体遺伝子は18のエキソンから成り、βアミロイド蛋白は16と17エキソンに渡って存在していた。この結果はβ蛋白が、蛋白のプロセッシングによって生成されることを示している。また、β蛋白がひとつの機能ドメインとして働いている可能性が低いことも示唆された。次に、β蛋白の発現の特性を調べるためHelaの細胞を用いて、熱ショック及びフォルボ-ルエステル(TPA)の影響をノ-ザ-ン法で解析した。その結果、TPAによりβ蛋白遺伝子の発現が著しく促進されることが示された。現在、トランスジェニックマウスの手法によってβ蛋白遺伝子の特性を解析中である。
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