研究課題/領域番号 |
01480169
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉村 堅太郎 秋田大学, 医学部, 教授 (90053058)
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研究分担者 |
島田 博子 (菅谷 博子) 秋田大学, 医学部, 助手 (30235626)
石田 和人 秋田大学, 医学部, 助手 (60006731)
阿部 達也 秋田大学, 医学部, 助教授 (80128363)
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キーワード | 広東住血線虫 / 好酸球 / 好酸球遊走因子 / 単クロ-ン抗体 / chemotaxis assay / affinity chromatography / 間接蛍光抗体法 / Mesocestoides corti |
研究概要 |
最終年度は、広東住血線虫幼若成虫由来の好酸球遊走因子(ECFーYA)に対する単クロ-ン抗体(mAb)の性状、mAbsを用いたaffinity chromatographyによるECFーYAの単離、およびECFーYAの局在、等について検討を行い、以下の成績を得た。1.MAbsが幼若成虫抽出物(YAーWWE)のモルモット好酸球に対する遊走活性を抑制できるか否かを検討したところ、抗16.1kD mAbは56〜61%、抗85kD mAbは20〜34%の抑制を示した。また、いずれのmAbsも25μg/ml以上の濃度でYAーWWE(500μg/ml)の遊走活性を有意に抑制した。しかし、いずれのmAbsも他の寄生蠕虫に由来するECFの活性を抑制することはできなかった。2.8種類のハイブリド-マから得られた抗16.1kD mAbsと抗85kD mAbsについて、ELISA additivity testにより各抗体が認識する抗原エピト-プの検討を行ったところ、これらはいずれも対応する抗原の同一エピト-プを認識することがわかった。3.抗16.1kD mAbと抗85kD mAbを混合使用すると、各々を単独で使用したときよりも遊走活性をより強く抑制した(ECFーYAでは81%、YAーwweでは71%)。ヒトの好酸球を用いた実験においても同様の抑制効果が認められた。4.抗16.1kD mAbを結合させたSepharose 4Bを用いるaffinity chromatographyにより、YAーWWE中から16.1kD抗原を単離することができた。5.間接蛍光抗体法により、ECFーYAの主要な局在部位は腸壁細胞の細胞質であることことが確認され、さらに虫体の排泄物・分泌物が好酸球遊走活性を有することも有らかになった。6.広東住血線虫感染マウスの髄液における好酸球の局所浸潤には、虫体由来の好酸球遊走因子そのもの、あるいは虫体抗原に感作されたリンパ球由来のサイトカインが重要であり、他の蠕虫(Mesocestoides corti)感染によって増多した好酸球は髄液局所の好酸球増多には関与しない。
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