研究課題/領域番号 |
01480176
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
深沢 義村 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10087760)
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研究分担者 |
新井 正 生物学療法研究会, 会長
宮川 洋三 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00166125)
加賀谷 けい子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60112984)
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キーワード | <Candida>___ー <albicans>___ー / 病原性因子 / カタラ-ゼ / マンナン / 上皮細胞粘着性 / エルゴステロ-ル / 二形性 |
研究概要 |
昨年に引き続き、<Candida>___ー <albicans>___ー A型の上皮細胞の粘着に関与する分子をC__ー.<albicans>___ー A型の特異抗原6を欠損する変異株を用いて検討した。ヒト口腔扁平上皮がん細胞株への粘着能の著しい低下の認められた抗原6欠損変異株3株から得た抗原6陽性の自然復帰突然変異株は、上皮細胞粘着能も同時に回復していることが認められた。またC__ー.<albicans>___ー A型以外で抗原6を所有する菌種C__ー.<tropicalis>___ーおよびC__ー.<glabrata>___ーの上皮細胞粘着能は抗原6を所有しない菌種C__ー.<albicans>___ー B型およびC__ー.<guilliermondii>___ーなどのそれに比べ有意に高いことが明らかになった。さらに、親株および変異株由来のマンナンで上皮細胞を前処理した場合の粘着阻止能を比較した結果、阻害は親株マンナン処理によってのみ認められた。一方、親株細胞をMAb CA4ー2により前処理することにより、上皮細胞粘着能が顕著に低下することが明らかになった。また子宮頚部がん、眼結膜上皮、および肺上皮由来の各種がん細胞株を用いた場合にも親株に比べ変異株で粘着能の顕著な低下が認められた。以上の結果より、C__ー.<albicans>___ー A型の特異抗原6の決定基(マンノヘキサオ-ス)がこの菌の上皮細胞粘着におけるリガンドとして重要な役割を果していることが示唆された。 一方、C__ー.<albicans>___ーの酵母形から菌糸形への転換(二形性転換)とエルゴステロ-ルの生合成との関係を明らかにするため、同生合成経路の阻害剤を用いて二形性転換への影響を検討した。その結果、同合成経路のうちエルゴステロ-ル合成の最終段階を阻害する抗真菌剤A25822B(Azasterol)およびFenpropimorphにより菌糸形への転換が強く阻害された。これに対し、核酸合成阻害剤であるFlucytosine、細胞膜障害剤であるAmphotericin BではMICとMHIC(菌糸形転換阻害)の差は全く認められなかった。
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