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1990 年度 実績報告書

ワクチンの免疫力増強に有用な免疫アジュバントの開発

研究課題

研究課題/領域番号 01480184
研究機関北海道大学

研究代表者

東 市郎  北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (50028411)

研究分担者 石原 智明  北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (90082172)
山西 弘一  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10029811)
済木 育夫  北海道大学, 免疫科学研究所, 助手 (80133776)
戸倉 清一  北海道大学, 理学部・高分子学科, 教授 (40000806)
キーワードムラミルジペプチド(MDP)誘導体 / トレハロ-スジマイコレ-ト(TDM)誘導体 / B30ーMDP / MDPーLys(L18) / CMーキチン / 免疫アジュバント活性 / 腎症候性出血熱ウイルスワクチン / 癌ワクチン
研究概要

ヒトの感染症に対するワクチン病発において、これらワクチンの効果発現には有効な免疫アジュバントの併用が必須と考えられる。本研究では(1)有効な免疫アジュバントの開発、(2)腎性出血熱ウイルスワクチン、特にそのリコンビナントワクチンに対する合成免疫アジュバントの併用効果、(3)癌ワクチン開発への免疫アジュバントの応用について検討した。
1.免疫アジュバントの開発:特にムラミルジペプチド(MDP)、トレハロ-スジマイコレ-ト(TDM)の誘導体の化学合成と免疫アジュバント活性の検討を行った。特にMDP誘導体のうちでもB30ーMDP及びMDPーLys(L18)の免疫アジュバントとしての有効性を種々の評価系を用いて明らかにしたが、新たに有効性が確認された免疫アジュバントとして1ーβーSーB30ーMDPメチルエステルとTDM(α,β)及びTDM(β,β)があげられる。1ーβーSーB30ーMDPメチルエステルはモルモットにおける遅延型アレルギ-誘導の評価系でB30ーMDPに匹敵する免疫アジュバント活性を示した。TDM(α,β)及びTDM(β,β)はTDMのもつマウスに対する致死毒性や体重減少毒性が極めて弱く、TDMに匹敵する免疫アジュバント活性が保持されている。
2.合成免疫アジュバントのワクチン開発への応用:腎性出血熱ウイルス(Hantaanウイルス)のウイルス表面抗原をコ-ドするcDNAをBaculo virusに取り込み、夜盗蛾細胞系に感染させて表面抗原を発現させ、その細胞のホモジネ-トを抗原としてB30ーMDPと共にBALB/cマウスに2回免疫した。4週後血清中の抗体価を測定すると共に、皮内感染させた哺乳マウスに24時間後脾細胞を受身移入し感染防御活性を検討した。その結果B30ーMDPを併用した群では対照群に比し血中抗体価も、受身移入した脾細胞による感染防御も有意に上昇していることが明らかにされた。B30ーMDPを ^<60>Co照射したL5178YーML25細胞と共にCDF_1マウスに皮内投与で免疫し、1週後生細胞を静脈内移植し、脾への転移を検討した結果、B30ーMDP併用免疫群においてほぼ完全に腫瘍転移の阻止がみとめられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Hiroaki MAEDA: "Activation by synthetic lipid A subunit analogues (GLA compounds) of tumoricidal properties in human blood monocytes." Vaccine. 8(3). 237-242 (1990)

  • [文献書誌] Keiko NISHIMURA: "Effect of chitin heparinoids on the activation of peritoneal macrophages and on the production of monokines in mice." Molecular Biotherapy. 2(2). 115-120 (1990)

  • [文献書誌] Joji IIDA: "Prophylactive activity of dihydroheptaprenol,a synthetic polyprenol derivative,against Sendai virus infection in mice." Vaccine. 8(4). 376-380 (1990)

  • [文献書誌] Hideharu ISHIDA: "Synthesis and immunoadjuvant activity of __Nー[2ー__Oー(2ーacetamidoー1,2,3,5ーtetradeoxyー1,5ーiminoーDーglucitolー3ーyl)ーDーlactoyl]ーLーalanylーDーisoglutamine." Carbohydrate Research. 208. 267-272 (1990)

  • [文献書誌] Yasuhiro YASUTOMI: "<In>___ー <vitro>___ー activation of bovine macrophage and peripheral blood mononuclear cells by <Nocardia>___ー <rubra>___ー cell wall skeleton (NーCWS)." Journal of Veterinary Medicine. B37. 712-720 (1990)

  • [文献書誌] Hideharu ISHIDA: "Synthesis and immunoadjuvant activity of 1ーαー__O,1ーβー__Sー and 6ー__Oー(2ーtetradecylhexadecanoyl) derivatives of __NーacetylmuramoylーLーalanylーDーisoglutamine methyl ester." Agricultural and Biological Chemisty. 55(2). 585-587 (1991)

  • [文献書誌] Ichiro AZUMA: "Chemical synthesis and biological activities of 6,6'ーdiー__Oーmycoloylーβ,βー and α,βーtrehalose." Carbohydrate Research. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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