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1990 年度 実績報告書

TーT細胞間相互作用におけるシグナル伝達物質の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01480187
研究機関東京大学

研究代表者

浅野 喜博  東京大学, 医学部・医学科, 助教授 (70114353)

研究分担者 佐野 公仁夫  東京大学, 医学部・医学科, 助手 (20192601)
キーワードヘルパ-T細胞 / サプレッサ-T細胞 / T細胞レパ-トリ- / CD8 / CD4
研究概要

安定なCD4^+ Ts細胞を得る方法はすでに確立されているが、安定なCD8^+ Ts細胞クロ-ンを得たとの報告はきわめて少ない。最近われわれは、安定なCD8^+ Ts細胞クロ-ンを得る方法を見い出した。この方法によって樹立した数株のCD8^+ Ts細胞クロ-ン株を用いて、ヘルパ-T(Th)細胞クロ-ンに対するTs細胞クロ-ンの抑制機序を解析した。
(1)CD8^+ Ts細胞の全てにγIFNの産生が認められたが.一部のクロ-ンを除いてIL2,IL4の産生は認められなかった。細胞傷害活性も検出されなかった。いずれのCD8^+ Ts細胞も、B細胞による抗体産生・Th細胞の抗原刺激による増殖性反応およびIL2産生を、抗原非特異的に抑制したが、マイトゲンやIL2によるT細胞増殖性反応は抑制しなかった。
(2)固相化した抗CD3抗体によってCD8^+ Ts細胞を活性化すると、可溶性抑制因子を産生することが明らかになった。T細胞増殖性反応に対する抑制活性は、分子量40K、前後の分画中に検出された。
(3)T細胞をこの抑制因子で前処理してもその反応性は抑制されないが、抗原提示細胞(APC)を前処理すると強い抑制が認められた。さらに、抑制因子で前処理したAPCは、別の細胞群の反応を抑制することが示唆された。
(4)増殖性反応やIL2産生に対する抑制活性は抗IL10抗体によって完全に吸収された。
(5)ところが、抗体産生に対する抑制作用は抗IL10抗体では吸収されず、またリコンビナントIL10やγIFNが抗体産生を抑制しないことから、CD8^+ Ts細胞は、T細胞増殖生反応を抑制するIL10と、これとは異なる抑制因子(TsF)とを産生していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Asano,Yoshihiro: "Synertistic TーT cell interaction present in alloreactivity:determination of ‘MLR helper" T cell subsets。" International Immunology. 2. 1203-1211 (1990)

  • [文献書誌] Hisatsune,Tatsuhiro: "CD8^+ suppressor T cell clone capable of inhibiting the antigenーand antiーT cell receptorーinduced proliferation of Th clones without cytolytic activity。" Journal of Immunology. 145. 2421-2426 (1990)

  • [文献書誌] Sano,Kunio: "Cell divisionーassociated expression of an epitope,KH17,on eary developing thymocytes。" International Immunology. 2. 725-733 (1990)

  • [文献書誌] Tada,Tomio: "Molecular events in the T cellーmediated suppression of the immune response。" Annuals of the New York Academy of Sciences. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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