研究概要 |
リンパ球機能分子のうち、特に細胞外マトリックス(ECM)と結合しその刺激によりリンパ球が活性化される経路の果たす免疫反応における重要性を明らかにすることが出来た。ECMとの接着分子であるインテグリン族に属するVLA分子に対するモノクロ-ナル抗体の作製に成功し、抗マウス、VNレセプタ-、抗マウスβ3、抗ラットVLA4、抗ラットVLA5等のモノクロ-ナル抗体を作製した。これらの抗体を用い、マウス、ラットのリンパ球が、ECMによって活性化され得る細胞内機序を明らかにすることが出来た。又、ラットのマスト細胞の活性化、リンパ球のホ-ミングにおいてもVLA4、VLA5等の分子が重要な役割を担っていることを調べることが出来た。一方、in vivoにおいても細胞外マトリックス(ECM)からリンパ球膜表面のVLA分子を介してリンパ球が活性化される経路を明らかにした。特にヒトの関節リウマチノ局所において、VLAを介したシグナルによりリンパ球から各種の炎症性のサイトカインが産生されていることを明らかにした。またその際、ファイブロネクチン、ラミニン、コラ-ゲンと云ったECMの種類により、VLAを介したサイトカイン産生のスペクトラムが異なることを各種のインタ-ロイキン,TNFα,TNFβ,TGFのmRNAの産生を指標に明らかにした。
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