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1990 年度 実績報告書

トリクロロエチレンによる新しい健康障害ー腸管嚢腫様気腫ー関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480198
研究機関山梨医科大学

研究代表者

佐藤 章夫  山梨医科大学, 医学部, 教授 (40020747)

研究分担者 田坂 捷雄  山梨医科大学, 医学部, 助教授 (40093265)
キーワード職業病 / 腸管嚢腫様気腫 / 有機溶剤 / トリクロロエチレン / メタノ-ル / 消化器病変 / 膠原病
研究概要

1.長野県下で1987ー1988年にかけて、新たに5例(男2名、女3名)トリクロロエチレン(トリ)が関係する原発性腸管嚢腫様気腫患者が発見された。うち4名(男2名、女2名はカメラレンズの製造工場でレンズの研磨あるいはその洗浄に従事していた(うち2例は同じレンズ製造工場の従業員)。このため平成2年度にこれらのレンズ製造工場の環境調査と従業員の健康調査を行った。その結果、4例中3例(1例は患者と経営者が調査を拒否)がトリとともに比較的高濃度のメタノ-ルに暴露していることが判明した。トリの幾何平均濃度はいずれも50ppm以下であったが、ある職場の最高メタノ-ル濃度は210ppmであった。この結果をもとに長野県下で発生した19例の原発性腸管嚢腫様気腫について再調査を行ったところ、従来単に「トリ暴露」とされていたものが高率にトリとメタノ-ルの混合暴露を受けていたことが判明した。
2.長野県産業医学会(医師会)所属の嘱託産業を通してトリを使用している作業者799名と使用していない作業者1374名に対して消化器症状と膠原病症状を中心としたアンケ-ト調査を実施した。現在の集計段階で、トリ使用者で有意に訴えの多い自覚症状は、「おなかがよく痛む」「おならがよくでる」、「下痢をたびたびする」などの消化器症状、「手足にカブレがしばしば起こる」などの皮膚症状、「手足が冷えやすい」などの循環器症状であった。新潟県下でもトリ使用者1378名と使用しない対照者300名を対象にして同様の調査を実施した。腸管嚢腫様気腫を示唆する自覚症状(腹部膨満感、排ガス、交替性便通異常、トマトジュ-ス様血便)を合併して訴える割合は女性のトリ使用者に多く、強皮症様症状(手足や顔の皮膚の硬化、指の皮膚が硬くつっぱる、指のこわばり、寒さで皮膚が変色)の合併率は男女ともトリ使用者に多かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中島 民江: "腸菅嚢腫様気腫発生職場の労働衛生学的考察ーとくにトリクロロエチレン暴露との関連" 産業医学. 32. 454-460 (1990)

  • [文献書誌] 藤口 憲輔: "トリクロロエチレン使用者の健康調査結果について" 新潟医学雑誌. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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