研究課題/領域番号 |
01480201
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小町 喜男 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50134242)
|
研究分担者 |
土井 光徳 筑波大学, 社会医学系, 講師 (10164089)
嶋本 喬 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50143178)
|
キーワード | 脳卒中の病型割合 / 脳出血 / くも膜下出血 / 穿通枝系脳梗塞 / 皮質枝系脳梗塞(血栓型) / 皮質枝系脳梗塞(塞栓型) |
研究概要 |
茨城県K町(人口1.7万人)、秋田県H市I地区(0.3万人)、同I町(0.7万人)の3地区において1988年まで8〜10年間の脳卒中発生を悉皆的に調査した。そして、1987年までの発生についてはCTを実施されたものすべてについて、統一基準によりCT所見を入手し、それによって、脳卒中の詳細な病型分類を実施した。この間の脳卒中発生数は、K町222例、I地区77例、I町112例の計411例である。その中CT所見の得られたものはK町143例、I地区61例、I町69例の計273例であった。CTの実施率は発作者の年齢により差があり、40〜69歳では3地区とも発作者のうち80%以上に実施されているが、70歳以上では50%弱であった。そこで、本研究では、病型別割合の検討は40〜69歳を中心として行うこととした。70歳以上は今回は参考資料とし、高齢者のCT実施率の向上を待って、あらためて再検討を行うこととした。40〜69歳のCT所見の得られたものは3地区計で167例である。 脳卒中の病型別割合(40〜69歳、男女計)は3地区間でほぼ等しかったので、3地区を合せて検討した。病型別の割合は脳出血32%、くも膜下出血16%、脳梗塞42%、CT上は異常所見が認められなかったが、臨床所見や経過より脳梗塞の可能性の高いもの10%であった。参考資料として70歳以上の成績を述べると、脳出血18%、くも膜下出血7%、脳梗塞63%、CT異常を認めず12%となり、40〜69歳に比し、脳梗塞の割合がより大きかった。70歳以上では軽症例でCT未実施者が多いことを考えると、脳梗塞の割合はさらに大きいと予想される。塞栓源の有無、皮質枝症状の有無、CT上の出血性梗塞像の有無等により、脳梗塞の病型を細分すると(40〜69歳)、穿通枝系65%、皮質枝系の塞栓型、血栓型、分類不能は各々11〜13%でほぼ等しかった。重症例(皮質枝系が多い)に偏ってCT撮影がされたと考えられる70歳以上でも、穿通枝系が50%を占めた。すなわち、わが国の脳梗塞が欧米諸国と異なり、穿通枝系の占める割合の高いことが確認された。
|