研究課題/領域番号 |
01480206
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
多田 學 島根医科大学, 医学部, 教授 (80127521)
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研究分担者 |
阿部 美代子 (岡崎 美代) 島根医科大学, 医学部, 助手 (40177043)
岸本 拓治 島根医科大学, 医学部, 助手 (00116394)
福澤 陽一郎 島根医科大学, 医学部, 講師 (40127527)
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キーワード | 離島 / 長寿者 / ポジティブヘルス / 生活パタ-ン / 食生活 |
研究概要 |
高齢化社会を迎え、健やかな老後は誰もが望むところである。超高齢者になってなお健やかな生活をおくっている人たちをモデルとして、高齢者の健康は、従来の身体的な健康のみならず、QOL(Quality of life)すなわち生命・生活の質の向上を考慮する必要がある。従来より長寿地域と言われる島根県隠岐島島前地区において、90歳以上の長寿者全員73名を対象に、健康・生活・食生活等の聞き取りによる実態調査を行い、同時にADL、血圧測定、握力測定を実施した。長寿者は男性24人、女性49人で、居住別では在宅59人、老人福祉施設14人であった。実態調査の結果は次のとうりである。 1.長寿者の両親の死亡年齢は、死亡した時代の寿命から考えて、半数以上が当時として長生きであった。 2.活動的な人(生命、生活の質の良い人)が、在宅者は64.8%、老人福祉施設入所者は42.9%あり、地域ならびに家族や長寿者間の交流が盛んであった。 3.長寿者は、規則的に食事をする人が約90%であり、同居者と同じバランスのとれた内容の食事をしている人が約81%であった。特に、魚介類をはじめ動物蛋白質摂取が十分であった。 4.長寿者の96.6%が同居世帯であり、寝たきり等医療を必要とする長寿者も、同居世帯が多いため、多くが家族によって看護されていた。 5.趣味を持っている人が約70%にみられ、超高齢になっても物事に積極的に取り組む姿勢がうかがわれた。 現在ADL、血圧、握力検査と健康状態を検討中であり、また1990年度は農山村の90歳以上についても同様の調査を実施し、比較検討し高齢者QOLを含めた健康管理のあり方を検討する予定である。
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