本研究は、健康管理に必要な健康管理情報を処理するための手段として、技術革新がめざましいコンピュ-タを巡る、各種の新しい情報メディア(いわゆるニュ-メディア)の利用がどの様に有効であるかまたどの様に利用する事が効率的であるかを情報の集中管理と分散管理の両面に亙って検討するものである。 本年度はその一面である集中管理におけるニュ-メディアの利用についての検討を中心に行った。具体的には、大量の情報を管理する媒体としてニュ-メディア記録媒体を利用した健康管理情報処理システムを構築することであった。本年度に構築を行ってきたシステムは、追加書き込みのできる光ディスクと書き直しも出来る光磁気ディスクの両方の記録媒体を用いたシステムである。二つのメディアを採用したのは多量の情報を記録することを優先すればアナログ記録方式の光ディスクが有利になるが、健康管理情報の中の画像情報の扱いは、いわゆる画像処理をも行えることを考慮してディジタル方式の記録も検討すべきと考えたからである。ソフトウエアについては、一般的なデ-タベ-スにおける検索の方法を中心に開発してきているが、将来ディジタル方式で多量の情報の記録が可能になった時には、画像処理技術を利用した検索のソフトウエアをも開発する事も考慮して置くべきと思われる。 この構築にあたっての問題は、情報の長期利用という観点から、メディアの互換性というものが大きな比重を占め、メディアの標準化等の動きは本研究の進展およびその結果の将来性に大きく影響するので、そのため研究対象として試用すべきメディアの将来性を考慮しすぎて選択が慎重になるざるを得ない点である。
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