本研究は、健康管理のため情報システムを構築すると同時に健康管理に必要な情報は何かということを検討することを目的とし2年間の研究補助を受け、今年は2年目にあたる。前年度は、我々が提唱している健康管理情報システム構想のなかで健康管理情報の集中的管理システムについて検討したが、本年は分散管理システムの検討をおこなった。研究内容は、まず分散管理のためのニュ-メディアとして光カ-ドとICカ-ドのどちらを採用するかという選択の問題があり、次にこのカ-ドメディアを利用した健康管理システムを作成し、実際にこのシステムを運用の中でその技術的問題と健康管理という医学的問題の両面での問題の検討を行った。具体的には、 1)カ-ドメディアとしては記憶容量と価格でICカ-ドより光カ-ドの方が現在の状況では優れているので本研究では光カ-ドを採用した。 2)この光カ-ドを利用したシステムは、我々が健康管理モデル地区として研究を続けている地域住民を対象にした健康管理システムのサブシステムとして作成した。すなわち毎年この地域で行っている集団健康健診の情報を住民一人一人に発行する光カ-ドに転送し、この光カ-ドの中の情報を使って、健康指導を効果的かつ効率的に行えるプログラムを作成した。 このシステムの運用の利点としては 1)住民の健康健診のデ-タの理解が深まった。 2)このカ-ドを利用するという過程のなかで、集団健康健診自体の運営のあり方を再検討する必要があることが認識された。
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