研究課題/領域番号 |
01480213
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
平岩 幸一 福島県立医科大学, 医学部・法医学講座, 教授 (60124616)
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研究分担者 |
郡司 啓文 福島県立医科大学, 医学部・法医学講座, 助手 (20234643)
阿部 すみ子 福島県立医科大学, 医学部・法医学講座, 助手 (50136975)
栗崎 恵美子 福島県立医科大学, 医学部・法医学講座, 講師 (30106356)
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キーワード | 外傷 / 熱傷 / ショック / リソゾ-ム酵素 / 溶血 / アレルギ- |
研究概要 |
ウサギ大腿部を長時間緊縛後解除すると、持続的に血圧は下降して死亡する(緊縛性ショック)。この血圧下降は緊縛部位より末梢に起因し、緊縛による虚血が原因となってリソゾ-ム酵素が細胞外へ漏出し、ショック増悪因子として全身的に作用することを示唆した。一方、ウサギ両後肢を75℃・1分間熱湯へ浸漬する熱傷ショックモデルでも、リソゾ-ム酵素活性は上昇して死亡する。しかし、熱傷接後の血圧降下とそれが回復してくる熱傷1時間後において酵素活性は上昇することから、これらの酵素自体が直後血圧降下に関係しているとは考えられない。ところで、熱傷ショックモデルでは高度の溶血がみられるため、溶血の影響を検討してみた。まず、 ヒトO型洗浄血球泥をー80℃・1時間凍結し、解凍後10,000rpm・5〜30分間遠心後の上清をウサギに最大量5ml/kg静注した。その結果、静注中に急激な血圧降下が起こるものの、静注直後や、数分後から血圧が回復するものがあり、10分程度経過後にはいずれも元の血圧に回復した。次に、ヒトO型洗浄血球泥を高力価のヒト血球凝集素を含むウサギ血清37℃・1時間感作後、洗浄し、遠心後の凝血塊をー80℃・1時間凍結し、解凍したもの、あるいは10,000rpm・5〜30分遠心後の沈渣を2・5ml/kg静注した。その結果、静注人から急激に血圧降下が起こり、数分以内に死亡するものや、死亡しないものは、約30分以上経過後に元の血圧に回復した。従って、溶血による血球中のケミカルメディエ-タも血圧降下に関与することは確実だが、持続的血圧降下には関係なく、また、溶血性ショックそのものは免疫複合体によるIII型アレルギ-であることが示唆された。結局、緊縛性・熱傷ショックのいずれでも、組織・細胞障害により、細胞外へ漏出したリソゾ-ム酵素がアナフィラトキシン産生等の異常代謝経路を亢進し、ショック増悪因子として全身的に作用するものと考えられた。
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