研究概要 |
2年間に亘る本研究の結果,以下に示すように,数々の重要な知見が得られた。(1)抗CD3抗体を用いたT細胞依存性の多クロ-ン性B細胞活性化においてはCD18分子が重要な役割を果している。(2)このB細胞活性化実験系を用いて解析を行った結果,正常人未梢血中には,リウマチ因子産生前駆細胞および抗DNA抗体産生細胞の両者が存在し,これより多クロ-ン性B細胞活性化により自己抗体の産生がおこりうることが証明された。また黄色ブドウ球菌は特にリウマチ因子産生前駆細胞を強く刺激すること,および抗DNA抗体産生前駆細胞の活性化にあたってはT細胞が重要な役割を演じている。(3)抗CD3抗体を用いた実験系で誘導される抗原非特異的・MHC非拘束性のサプレッサ-T細胞の表現型は、従来いわれてきたようにCD4・CD8による差異は存在せず,むしろT細胞の分化段階を示すとされるCD45RA分子と密接な関係がある。またヒトサプレッサ-T細胞の誘導は,IL2により促進され,抗IL2セプタ-抗体で阻害されることから,IL2が非常に重要な働きをすることが示唆された。(4)慢性関節リウマチ患者未梢血単球においては,その表面のFCレセプタ-(CD64)の発現が増強しており,これがこの疾患における免疫異常と深く関与する可能性が示唆された。以上の知見に基づいて,自己免疫疾患の代表ともされる慢性関節リウマチと全身性エリテマトーデスにみられる免疫異常が根本的に異なるものであるということが認識された。リウマチ因子産生細胞・抗DNA抗体産生細胞の活性化の機序が明らかにされた点,およびサプレッサ-T細胞の誘導メカニズムが明らかにされた点が本的研究の大きな成果であり,これにより自己免疫疾患の病因・病態の解明に大きく貢献するものと考えられる。 みられる免疫異常が根本的に異なるものであるということが認識された。リウマチ因子産生細胞・抗DNA抗体産生細胞の活性化の機序が明らかにされた点,およびサプレッサ-T細胞の誘導メカニズムが明らかにされた点が的研究の大きな成果であり,これにより自己免疫疾患の病因・病態の解明に大きく貢献するものと考えられる。 みられる免疫異常が根本的に異なるものであるということが認識された。リウマチ因子産生細胞・抗DNA抗体産生細胞の活性化の機序が明らかにされた点,およびサプレッサ-T細胞の誘導メカニズムが明らかにされた点が的研究の大きな成果であり,これにより自己免疫疾患の病因・病態の解明に大きく貢献するものと考えられる。
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