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1989 年度 実績報告書

慢性胃炎の免疫病態形成におけるカンピロバクタ・ピロリ菌の関与

研究課題

研究課題/領域番号 01480227
研究機関札幌医科大学

研究代表者

谷内 昭  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)

研究分担者 辻崎 正幸  札幌医科大学, 医学部, 助手 (50217311)
矢花 剛  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70045491)
日野田 裕治  札幌医科大学, 医学部, 助手 (10165128)
今井 浩三  札幌医科大学, 医学部, 講師 (60117603)
杉山 敏郎  札幌医科大学, 医学部, 助手 (00196768)
キーワードCampylobacter pylori / モノクロ-ナル抗体 / 慢性胃炎 / 胃潰瘍 / 十二指腸潰瘍 / 組織学的重症度
研究概要

1)C.pyloriに対するMoAbを作製した。30種のC.pylori可溶化抗原と反応するクロ-ンを得たが、とくにC.pyloriと強く反応し、C.jejuhi,C.coil,C.fetus,E.coilと全く反応しない3種のモノクロ-ナル抗体の対応抗原分子はCP1(IgG2a)は36Kd分子、CP2(IgG3)は180Kdおよび60Kd分子、CP3(IgM)は25Kd分子であった。
2)胃生検組織を用いた組織レベルでのMoAbの反応性は、CP1が胃組織との交差反応もなく、培養法よりも感度が高かった。CP1を用いた酵素抗体法により簡便かつ特異的に組織レベルでのC.pyloriが検出できた。
3)慢性胃炎および胃潰瘍患者血清中にはC.pyloriに対する抗体が存在し一方、健常者血清中にもC.pyloriに対する抗体が存在した。しかしその抗体プロフィ-ルは異なり、患者血清中には110Kd、36Kd、25Kd抗原に対する抗体が高頻度に検出された。
4)CP3と患者血清中の抗25Kd抗体は、C.pyloriの同一抗原分子と反応することが判明したため、CP3を用いてC.pylori抗原成分中の25Kd抗原に対する血清抗体(血清CP3抗体)を測定できるELISAを設定した。これにより慢性胃炎、胃潰瘍および十二指腸潰瘍患者血清は有意に高いCP3抗体価を示し、健常者と判然と鑑別できた。
5)C.pyloriに対する血清CP3抗体価は胃炎の組織学的重症度と相関した。また、胃潰瘍の病期との相関は認められなかったが、前庭部随伴性胃炎の組織学的重症度と相関する傾向が認められた。C.pyloriの25Kd抗原あるいは抗体のC.pylori感染胃炎の病勢、病態形成との関連が、示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 谷内昭: "Campylobacter pyloriと胃・十二指腸疾患ー免疫学的立場からー" 最新医学. 44. 258-262 (1989)

  • [文献書誌] 杉山敏郎: "抗Campylobacter pyloriモノクロ-ナル抗体の作製と臨床応用" ライフサイエンス出版. 4. 1488-1494 (1989)

  • [文献書誌] 杉山敏郎: "Campylobacter pylori感染の血清診断" 日消誌. (1990)

  • [文献書誌] Yachi.A: "Preparation of antiーCampylobacter pylori monoclonal antibodies and clinical implication" Organizing Committee of Tokyo International Symyposium on Camplobacter pylori,Tokyo(1989), 6 (1989)

  • [文献書誌] 杉山敏郎: "消化器疾患の防御機構(消化性潰瘍とCampylobacter pylori)" 株式会社 現代医療社, 170(9) (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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