研究分担者 |
中島 尚登 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 助手 (90207788)
中原 正雄 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 助手 (30201669)
山内 眞義 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 助手 (20138811)
北原 敏久 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (00119786)
小倉 和雄 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (20119770)
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研究概要 |
体重180g前後のSD系雄性ラットを、各群5匹ずつ合成液体飼料で12週間にわたってpair feedingし実験に供した。液体飼料はアルコ-ル性肝障害患者の栄養学的背景に従って、蛋白8Cal%、脂肪20Cal%、炭水化物72Cal%を対照群(C群)とし、アルコ-ル群(E群)は徐々にアルコ-ル量をあげていき、最終的には炭水化物の46Cal%をエタノ-ルで置換した飼料で飼育した。動物性脂肪は牛脂、植物性脂肪はサフラワ-油を使用した。肝障害の指標として、血漿ではGOT,GPT,mーGOT,GLDH,過酸化脂質、肝内では過酸化脂質、coloalgenーbound hydroxyproline量を測定した。さらにコラ-ゲンの合成能を ^<14>Cーprolineのコラ-ゲンへの取り込みで検討した。さらに肝内脂肪酸組成をガスクロにより分析した。さらに電顕的にも検討を加えた。得られた成績はいかに示すとうりであった。 (1)牛脂C群、牛脂E群、サフラワ-C群(サC群)、サフラワ-E群(サE群)の血漿GPT(IU/1)はそれぞれ55±13,79±38,85±20,138±48,mーGOT(IU/L)は,10±2,14±3,22±4,31±11であり、GOT,GLDH,過酸化脂質とともにサE群で最も有意な高値を示した。肝ミクロゾ-ムの過酸化脂質と肝collagenーbound hydroxyprolineもサE群が最も高値を取り、同群において肝障害および肝線維化が強かった。 (2)コラ-ゲンの合成能(dpm/g liver)は、169±41,276±49,457±49,600±15であり、サE群で最も亢進していた。 (3)脂肪酸組成では、Cー18:0,Cー18:1は牛C群がサC群に比して多く、C18ー2ω6(リノ-ル酸)とcー20:4ω6(アラキドン酸)はサC群のほうが多く、アラキドン酸とリノ-ル酸はサE群で最も多い組成を示した。 (4)サE群において、ミトコンドリアの膨化、肝細胞壊死が著明であり、伊東細胞の賦活化が明かであった。
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