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1991 年度 研究成果報告書概要

気管支喘息の病態における好酸球機能発現の多面性

研究課題

研究課題/領域番号 01480234
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 呼吸器内科学
研究機関千葉大学

研究代表者

小池 隆夫  千葉大学, 医学部, 講師 (80146795)

研究分担者 高林 克日己  千葉大学, 医学部, 助手 (90188079)
岩本 逸夫  千葉大学, 医学部, 助手 (10111436)
冨岡 玖夫  東邦大学, 医学部, 教授 (20009632)
研究期間 (年度) 1989 – 1991
キーワード気管支喘息 / 好酸球 / 抗好酸球モノクロ-ナル抗体 / サイトカイン / サブスタンスP / 好酸球増多症
研究概要

気管支喘息の重症化・慢性化には好酸球による気道炎症が重要な役割を果していると考えられている。そして気道組織内に浸潤した好酸球は種々のサイトカインや化学伝達物質により機能的に活性化され組織傷害性を発揮する。本研究では抗好酸球モノクロ-ナル抗体を確立しそれがいかなる活性化好酸球を認識するかを検討した。その結果本抗体は,好酸球増多症患者の好酸球とのみ反応し,健常者好酸球とは反応しないことが明らかにされ,本抗体は活性化好酸球の解析に有用と考えられた。次に好酸球を活性化することが知られているサイトカイン(ILー3,ILー5,GMーCSF)によりヒト末梢血好酸球をin vitroで活性化させ,本抗好酸球抗体との反応性をFACSにて解析した。本抗好酸球抗体はGMーCSFと培養した好酸球とのみ強く反応し,ILー3或いはILー5と培養した好酸球とは反応しなかった。したがって,本抗好酸球抗体はヒト好酸球がGMーCSFにより活性化された際に特異的に発現される細胞表面分子を認識すると考考えられた。本研究では次に,ヒト臍帯血単核球をILー3とILー5と共に4週間培養することにより好酸球のみを選択的に誘導する実験系を確立し,これにより各種サイトカインの好酸球の分化増殖に対する効果を検討した。IFNーγは非常に低濃度(5単位/ml)で好酸球の分化増殖を抑制した。ILー4も同様に10単位/mlから用量依存性に好酸球の分化増殖を抑制した。しかしILー4の添加ではT細胞の増加を認めた。ILー2も低濃度で好酸球の分化増殖を抑制した。以上からILー2,ILー4,IFNーγはいずれも直接または間接的にヒト好酸球の分化増殖を抑制すると考えられた。最後にサブスタンスP(SP)の好酸球活性化作用を検討した。その結果神経性炎症の惹起物質であるSPは好酸球を直接活性化し,気管支喘息の発症に関与することが示された。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 岩本 逸夫: "未梢血液中における好酸球の動態" 炎症. 10. 375-378 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 落合 賢一: "好酸球増多症の顆粒球を認識するモノクロ-ナル抗体の確立" アレルギ-. 39. 459-464 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中川 典明: "Substance Pによるヒト好酸球活性化の機序" アレルギ-. 39. 1142 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Ochiai,K.: "Characteristics of an anti-eosinophil monoclonal antibody that recognizes granulocytes from patieuts with blood eosinophilia but not from subjects witout eosinophilia" Clin.Exp.Immunol. 84. 283-288 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Iwamoto,I.: "The effect of cytokines on IL-3 and IL-5-induced eosinophil differentiation from cord blood mononuclear cells" J.Allergy Clin.Immunol.87. 349 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 岩本 逸夫: "好酸球活性化におけるサイトカインの役割" 呼吸. 10. 1096-1101 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Iwamoto I.: "Analysis of heterogeneity of human eosinophils." Jpn. J. Inflammation. 10. 375-378 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Ochiai K.: "An anti-eosinophil monoclonal antibody AE500 that reacts only with granulocytes from hypereosinophilic patients." Jpn. J. Allergology. 39. 459-464 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Nakagawa N.: "Mechanism of activation of human eosinophils by substance P." Jpn. J. Allergology. 39. 1142 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Ochiai K.: "Characteristics of an anti-eosinophil monoclonal antibody that recognizes granulocytes from patients with blood eosinophilia but not from subjects without eosinophilia." Clin. Exp. Immunol.84. 283-288 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Iwamoto I.: "The effect of cytokines on IL-3 and IL-5-induced eosinophil differentiation from cord blood mononuclear cells." J. Allergy Clin. Immunol.87. 349 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Iwamoto I.: "Role of cytokines in eosinophil differentiation and activation." Kokyu. 10. 1096-1101 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1993-03-16  

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