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1990 年度 実績報告書

神経組織の加齢と内因性毒性物質(スフィンゴシン)の影響についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 01480241
研究機関九州大学

研究代表者

後藤 幾生  九州大学, 医学部, 教授 (20038631)

研究分担者 小林 卓郎  九州大学, 医学部, 講師 (40158902)
キーワードスフィンゴシン / ガラクトシルスフィンゴシン / リゾスルファチド / リゾガングリオシド / 内因性毒性物質 / 加齢
研究概要

神経組織が加齢により変性する原因として我々は内因性毒性物質が関与している可能性を検討してきたが、本研究では中枢神経に多量に存在するスフィンゴ脂質の脂肪酸がないリゾ型スフィンゴ脂質(特にスフィンゴシン)に関して研究を行った。リゾ型スフィンゴ脂質は遊離アミノ基をもつことにより高い毒性を有し、数μMで細胞を死滅させる。我々はHPLCを用いてスフィンゴシンをはじめ、ガラクトシルスフィンゴシン、リゾスルフィチドが正常脳内(ヒト、マウス)に存在することを明らかにした。このうち特にスフィンゴシンの濃度が高く、一般組織に100pmol/mg蛋白存在している。スフィンゴシンは非常に毒性が高く、その解毒機構を検討すると、スフィンゴシンは非常に速くアシル化され、セラミドになる。セラミドはもはや毒性をもたない。一方スフィンゴシンに糖鎖がつくと、ガラクトシルあるいはグルコシルスフィンゴシンになるが、これらの反応はマウスミクロゾ-ム内に存在するが、反応は遅く、Km値も高いことが明らかになった。
リゾ型スフィンゴ脂質のうち糖鎖の多量についたリゾガングリオシドについてはある種の疾患で増加していることが知られているが、我々はHPLCで超微量(数pmol)の測定法を開発した。正常ヒト、牛、マウス脳内にも数pmolのリゾガングリオシドが存在していることが判った。
また、GM_2ガングリオシド-シスおよびGM_1ガングリオシド-シス脳より同様の方法でリゾガングリオシドを測定すると正常の50〜100倍のリゾガングリオシドGM_2、GM_1がそれぞれ蓄積していることが判明した。加齢におけるスフィンゴシンの増加は明らかでなかったが、ガラクトシルスフィンゴシンは増加していた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Mitsuo,K.: "Juvenile Sandhoff disease:A Japanese patient carrying a mutation identical to that found earlier in a Canddian patient" J.Neurol.Sci.98. 277-286 (1990)

  • [文献書誌] Yoshimura,T.: "Decreased fatty acylation of myelin proteolipid protein in the twitcher mouse" J.Neurochem.52. 836-841 (1990)

  • [文献書誌] Toda,K.: "Lysosulfatide (sulfogalactosylsphingosine) accumulation in tissues from patients with metachromatic leukodystrophy" J.Neurochem.55. 1585-1591 (1990)

  • [文献書誌] Yoshimura,T.: "Accumulation of galactosylsphingosine (psychosine) does not interfere with phosphorylation and methylation of myelin basic protein in the twitcher mouse" Neurochem.Res.15. 963-967 (1990)

  • [文献書誌] Kobayashi,T.: "A sensitive assay of lysogangliosides using high performance liquied chromatography" Biochim.biophys.Acta.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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