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1989 年度 実績報告書

動脈硬化・発生・進展過程における血管内皮細胞構築・機能と血流動態との関連

研究課題

研究課題/領域番号 01480248
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 通敏  大阪大学, 医学部附属病院医療情報部, 教授 (30028401)

研究分担者 上松 正朗  大阪大学, 医学部, 医員
田内 潤  大阪大学, 医学部, 助手 (20197544)
堀 正二  大阪大学, 医学部, 助手 (20124779)
北畠 顕  大阪大学, 医学部, 講師 (00124769)
武田 裕  大阪大学, 医学部附属病院医療情報部, 助教授 (20127252)
キーワード動脈硬化 / ずり応力 / 超音波ドプラ法 / 血管内皮細胞 / マイクロフィラメント / 高脂血症 / 内膜病変
研究概要

動脈硬化初期病変は、ヒトではずり応力が低いと考えられる領域に形成されやすいことから、動脈硬化の発生には局所血流が関与することが示唆されるものの、そのメカニズムは未だ不明である。一方、in vitroでは、ずり応力の負荷により血管内皮細胞内のマイクロフィラメントが増加して内皮のスティフネスが増大し、逆に薬物負荷でマイクロフィラメントを解離させると内皮の透過性が亢進することが報告されている。しかし、生体内ではずり応力と内皮マイクロフィラメントとの定量的な関係は明らかでなく、動脈硬化初期病変の発生との関連も不明である。我々は高周波超音波ドプラ-情報処理システムを開発し、in vivoずり応力を求め、ずり応力と血管内皮細胞内マイクロフィラメント分布との関係を検討してきた。平成元年度は、これらの結果をふまえ、前年度に確立したイヌ慢性大動脈狭窄モデルにおいて狭窄上流部および狭窄部に加えて、狭窄部直上および直下の血流および内皮マイクロフィラメント分布を定量的に解析した。その結果、局所ずり応力は上流に比し狭窄部直上で著しく増大し、狭窄部直下では有意に減少した。電顕写真上で内皮細胞全体に対するマイクロフィラメントの占める割合F/Cを求めると、ピ-クおよび平均局所ずり応力のいずれとも正の相関があることが示された(それぞれr=0.96、r=0.94、p<0.001)。さらに高コレステロ-ル血症を負荷すると、負荷例全例に狭窄部直下すなわち低ずり応力領域に限局して内膜における平滑筋細胞の増殖を認めた。以上より、局所ずり応力の低下により内皮マイクロフィラメントは低形成となり、高コレステロ-ル血症下では、マイクロフィラメント低形成部位に限局して内膜初期病変が形成されることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Uematsu,M.et al.: "Low shear stress reduces endothelial microfilaments and induces intimal plaque formation in hypercholesterolemic canine aorta." Circulation. 80(Suppl.II). II-556 (1989)

  • [文献書誌] 上松正朗 他: "内膜病変形成および内皮細胞内マイクロフィラメントにおよぼす低ずり応力の影響:高脂血症慢性大動脈狭窄犬における検討" 脈管学. 29. 817 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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