研究課題/領域番号 |
01480256
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
黒梅 恭芳 群馬大学, 医学部, 教授 (40008280)
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研究分担者 |
福島 直文 群馬大学, 医学部, 医員
長嶋 完二 群馬大学, 医学部, 助手 (00164418)
田村 宏 群馬大学, 医学部, 講師 (10008295)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 新生児 / 母乳 / フィブロネクチン / 成長因子 |
研究概要 |
新生児の血中フィブロネクチン(Fn)濃度と栄養法との関連、および人乳中Fn産生刺激活性について検討した。 対象と方法:新生児69人を対象とした。血中Fn濃度は免疫比濁法にて測定した。人乳中Fn産生刺激活性(FnSA)の測定は、人胎児肺繊維芽細胞(WI38)を用い、試料添加時と非添加時の培養液中Fn濃度比にてFnSAを測定した。培養液中Fn濃度の測定は、EIA法によった。EGF.bFGFはRIA法にて測定した. 結果:血中Fn濃度は、在胎週数34週数以下の児において、粉乳栄養群にくらべ人乳群が有意に高値を示した(p〈0.01)。哺乳量の増加にともないその値は上昇した。人乳中にFnSAを認め、特に初乳に高値であった。粉乳中には認められなかった。Gー100を用いたgelーchromatographyの検討では、FnSAは、大きく3つの分画に分れた。そのうちの2つの分画にEGFのRIA活性を認めた。さらに、HPLCによる解析では、母乳成分は7分画に分れ、FnSAはうち4つの蛋白分画に認められた。EGFのRIA活性は、2分画に認められた。Heparin affinity chromatographyによる分析では、2つのFnSA分画を認め、推定分子量は,それぞれ18kDa、10kDaであった。分取した蛋白分画は、濃度に依存性のFnSAおよび細胞増殖活性を示し、HBGFーI、ーIIの可能性が考えられた。bFGFのRIA活性は、その1分画のみに認められ、EGFの存在はみられなかった。 考察:人乳にFnSAが存在することが確かめられた。その構成成分は、数種類のものが存在するものと考えられた。低出生体重時の血中Fn濃度は、母乳栄養群で粉乳栄養群に比し有意に高値を示し、栄養法が新生児期の血中Fn濃度に影響をおよぼす可能性が示唆された。
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