研究課題/領域番号 |
01480260
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
大西 鐘壽 香川医科大学, 医学部, 教授 (40080014)
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研究分担者 |
國方 徹也 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50195468)
福崎 良 香川医科大学, 医学部, 助手 (40189931)
西井 正 香川医科大学, 医学部, 助手 (60176477)
磯部 健一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00159815)
伊藤 進 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145052)
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キーワード | (EZ)-cyclobilirvbin / リポゾ-ム / propentdyopent / ヒト血清アルブミン / sacrificial antioxidant / リボフラビン / urate / theophylline |
研究概要 |
Miglioriniら(Biochem J,1988)は、嫌気的条件下と比べて酸素共存下では、514.5nmのレ-ザ-光の照射において(EZ)-cyclobilirubinの生成が増加することを報告した。この成績は、我々の理論と相容れないものであるので検討を行ったが、(EZ)-cyclobilirubinの生成は酸素共存により増加せず、我々の考えを支持する成績が得られた(Photomedicine & Photobiology,1989)。この原因は、Miglioriniらの光異性体の測定法の分離条件の悪さに起因すると考えられた。ビリルビンの細胞膜への分布モデルとしてリポゾ-ムを用い、ヒト血清アルブミン結合ビリルビンとリポゾ-ム結合ビリルビンの抗酸化作用の差異について検討した。先ずビリルビンの酸化物質であるビリベルジンとpropentdyopent物質の高速液体クロマトグラフィ-による分離条件、前処理法を確立した。この測定法を用いて検討した結果、ヒト血清アルブミンのIst classに結合したビリルビンはビリベルジンへの変化が多く、逆にリポゾ-ムに結合しているビリルビンはpropentdyopent物質への変化の方が多かった(未熟児新生児学会雑誌投稿中)。このビリルビンの抗酸化作用において、前者のビリルビンからビリルベルジンへの変化に基ずくNAD(P)Hのエネルギ-によるビリベルジンよりビリルビンへの可逆変化を伴うのに対し、後者はpropentdyopent物質への不可逆的変化に伴うsacrificial antioxidant作用によるものである。この成績はビリルビンの抗酸化作用が細胞膜レベルで起こっていることを間接的に証明するものである。光療法におけるリボフラビンの一重項酸素の消去物質としてurateが大切であり、theophyllineはその作用を増強した。今年度は、(EZ)-cyclobilirubinとCDスペクトルとの関係については検討できなかったが、Crigler-Najjar症候群において(EZ)-cyclobilirubinを含む多量の尿を採取できるので検討する予定である。
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