研究課題/領域番号 |
01480262
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
和田 義郎 名古屋市立大学, 医学部・小児科学教室, 教授 (30004849)
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研究分担者 |
杉山 成司 名古屋市立大学, 医学部・小児科学教室, 助手 (50150777)
矢崎 信 名古屋市立大学, 医学部・小児科学教室, 助手 (80133479)
小林 正紀 名古屋市立大学, 医学部・小児科学教室, 助手 (50170353)
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キーワード | オロット酸尿症 / OPRT / ODC / 皮膚線維芽細胞 / チミジンの取込み / ウリジン / EBウイルス |
研究概要 |
オロット酸尿症は先天性ピリミジン代謝異常症の1つであり、常染色体性劣性の形式をとる遺伝病であるが、極めて稀な疾患でこれまでに世界中で12例が発見されているに過ぎない。我々はこの疾患の本部では最初の患者を診断し得たので、患者の両親について皮膚線維芽細胞・EBウイルスによるリンパ芽球様細胞を作成してこれらの細胞がオロット酸尿症の本態を示し今後の分子遺伝学的研究に役立つか否かの検討を中心として実験を行った。 [対象及び方法] 1.患者と両親の赤血球中のOPRT、ODCの活性を測定し、対照群と比較した。 2.皮膚生検により患者の皮膚線維芽細胞を作成し、培地中のウリジン濃度を変えることが細胞の生存及び増殖にどのような影響を与えるかについて検討した。 3.患者の末梢血リンパ球を用いてリンパ芽球用細胞株を樹立し、OPRT及びODC活性を測定するとともに、レクチン刺戟によるロインシとチミジンの取込みを測定した。 [結果] 1.患者赤血球中のOPRT活性は対照群平均値の2.7%、ODC活性は0.4%と各々著明な低下を示した。両親の値は双方とも2種の酵素活性について50%程度の低下を示した。 2.患者由来の皮膚線維芽細胞では対照群と比較してウリジンの取込み率は常に亢進していた。 3.患者由来のリンパ芽球様細胞でもOPRTとODC活性の著減が証明された。培地にウリジンが添加された場合にのみレクチン刺戟後のロイシンとチミジンの取込み亢進が認められた。
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