研究課題/領域番号 |
01480269
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
秋貞 雅祥 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (90110494)
|
研究分担者 |
阿武 泉 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50138707)
井上 多門 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10168453)
三森 文行 国立公害研究所, 環境保健部, 主任研究員
|
キーワード | ^<31>P NMR / muscle energetics / aging / training / Sports medicine |
研究概要 |
^<31>P NMRを用いたラット骨格筋の研究ではこれまで、安静時における速筋・遅筋の比較、電気刺激による疲労及び回復過程の追跡が、いずれも単一回の測定でなされている。本研究では、ラットに3ケ月間の走トレ-ニングを課し、その前後に^<31>P NMRを同一個体で繰り返し測定することにより、トレ-ニングが筋のエネルギ-代謝能に及ぼす効果を検討した。 Wistar系雄ラットをトレ-ニング群(n=8)とコントロ-ル群(n=8)にわけ、トレ-ニング群には動物用トレッドミル装置を用いて、15m/minの速度で45分間、週3回、3ケ月間の走負荷を与えた。^<31>P NMR測定には、公害研の2.4T Biospec分光計(Brucker社製)を用いた。ラット下肢のM.gastrocnemiusに直径2cmの表面コイル検出器、刺激用電極、圧力トランスデュ-サを装着し、安静時、運動時、回復時について連続的に測定を行なった。電気刺激は、duration 2msec,20V,1Hzで、約12分間行なった。測定は、パルス繰り返し時間3秒で、32回の積算を行った。部分飽和効果の考慮を行った後、共鳴線の面積強度より代謝物の定量を行った。化学シフト値はクレアチンリン酸(PCr)を基準とした。 トレ-ニング前においては、両群とも刺激最終段階でのPCr/PCr+Piは0.69であるのに対し、3カ月後トレ-ニング群の値は0.82で定常状態に達した。一方、安静時のPCr/PCr+Piについては、トレ-ニング前後で変化がみられなかった。これらの結果は、走トレ-ニングにより運動時のエネルギ-供給系の効率の向上を示唆するものである。 現在、トレ-ニング9カ月目の測定中であり、今後さらに研究テ-マである予防医学という観点からのagingと運動との関係について、資料がえられる見込みである。
|