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1991 年度 実績報告書

腫瘍血管床の特異性が動態及び代謝に及ぼす影響に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 01480271
研究機関福井医科大学

研究代表者

石井 靖  福井医科大学, 医学部, 教授 (00026949)

研究分担者 中津川 重一  福井医科大学, 医学部, 講師 (00180315)
林 信成  福井医科大学, 医学部, 助教授 (20189658)
山本 和高  福井医科大学, 医学部, 助教授 (50158268)
キーワードMRスペクトロスコピ- / 腫瘍のエネルギ-代謝 / 腫瘍潅流 / 温熱療法 / 放射線療法
研究概要

近年の画像診断の進歩と普及の臨床診断に果した役割は大きく、就中、癌の早期における存在診断とその進展度診断とが適確となり、その治療成績の向上が期待されている。次に問われるものとしては、治療法の選択とその効果の評価を適切に行う上で、存在・進展度などの形態的情報に加えて、代謝機能についての質的情報の抽出の工夫である。ところで臨床的に生体内に存在する腫瘍についていえば個々の腫瘍細胞の特殊性に加えて、まるごとの腫瘍細胞の集団の作る生理学的環境の検討がむしろ重要である。そこで非侵襲的に生体内の代謝環境を計測できるとされているMR Spectroscopy(MRS)にてヌ-ド・マウス移植腫瘍について検討を行ない、あわせてMR造影剤の投与、水素ガスクリアランス法とによって腫瘍の潅流状況についての検討を行ない、その生理学的環境の理解の手掛りとしたが、これらの検討は温熱療法、放射線療法及び両者の併用療法についても行ない、これらの治療侵襲の生理学的意義についても明らかとした。総じて、腫瘍においては、その増殖につれて亢進したエネルギ-代謝に適切な潅流が応じきれず、従って嫌気性エネルギ-代謝に陥るが、放射線治療によって、この状況が改善し、いわゆる従来から言われている再酸素化の効果に相応する所見が得られた。他方、温熱療法においては、虚血が招来され、エネルギ-代謝が低下し、このことによって殺腫瘍効果が期待される。両者の併用においては、この相反する効果が相加的に示され、両者の併用が有用であることが生理学的に証明できた。以上のことから生体の腫瘍は潅流状況の上とエネルギ-代謝の上で、生理学的に相異なる環境から成立ち、従って、治療については相異なる作用の治療法の選択の組合せが必要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Kimura: "Metabolic Alterations after Combined Therapy of Radiation and Hyperthermia using Implanted Human Tumor by in vivo P31ーMRS" Procedding of 9th Annual Meeting of Society of Magnetic Resonance in Medicine. 835 (1990)

  • [文献書誌] 玉川 洋一: "拡散/微小循環画像の基礎的検討" 日本磁気共鳴医学会雑誌. 10. 335-344 (1990)

  • [文献書誌] 玉川 洋一: "ダイナミックファントムを用いたRF誘導加温実験" 日本ハイパ-サ-ミア学会誌. 7. 70-77 (1991)

  • [文献書誌] 石井 靖: "癌の画像診断:治療評価ーMRS" 第23回日本医学総会誌. III. 498 (1991)

  • [文献書誌] 石井 靖: "画像診断における腫瘍動態とその代謝について" 病態生理. 10. 655-658 (1991)

  • [文献書誌] 木村 浩彦: " ^<31>PーMRSによる放射線照射及び温熱療法の治療効果の検討" 日本磁気共鳴医学会雑誌. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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