研究課題/領域番号 |
01480273
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿部 光幸 京都大学, 医学部, 教授 (00025587)
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研究分担者 |
永田 靖 京都大学, 医学部, 助手 (10228033)
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 講師 (70173218)
小野 公二 京都大学, 医学部, 講師 (90122407)
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キーワード | 放射線治療 / 治療計画 / CT / 三次元画像 / シミュレ-タ / ド-ズボリュ-ム / 高精度 / CTシミュレ-タ |
研究概要 |
我々は、CT画像を用いた高精度放射線治療計画システム「CTシミュレ-タ」を開発し、その臨床応用を通じてより実用的なシステムへの改良を検討してきた。現在までに、臨床上利用可能な三次元画像としてビ-ムズアイビュ-・再構成CT画像上(矢状断面や縦状断面)の線量分布曲線・スキャノグラム上のタ-ゲット再構成像があるが、それらの有用性を検討した。現在までの種々の臨床応用において以下の有用な領域が見られた。1、乳房温存療法の術後照射。早期乳癌の腫瘍摘出術後の残存乳房への照射に用いた。CT画像上での正確な乳腺範囲の把握によって、最適な照射角度や最小の照射野の決定が可能となった。2、膵癌の術前照射。膵癌の照射ににおいて、腫瘍の範囲を正確にCTで捉えることにより、正常肝や正常腎への照射をできるだけさける多門照射法を可能とした。3、頭頚部腫瘍。レンズへの照射線量をへらす正確な治療法を上顎癌において可能とし、上咽頭癌において照射野内の線量分布の均一性を三次元的に確認した。4、骨・軟部腫瘍。骨。軟部腫瘍はX線フィルムで治療計画する以上に腫瘍の進展が見られることが多く、X線シミュレ-タを用いた治療計画に比べ、より正確な照射野設定に寄与した。5、脳腫瘍。腫瘍の進展範囲を正確に捉えた治療計画に最適であった。6、肺腫瘍。脊髄に隣接する腫瘍において、脊髄を耐用線量以下に抑えた治療計画に有用であった。7、呼吸同期照射。下肺野や上腹部の腫瘍に対する呼吸停止下の同期照射の計画に有用であった。今後は、以上の各臓器における具体的なデ-タを蓄積し、三次元治療計画システムの有用性を評価したい。また、本年度に新しい高速演算機EWS4800/60を導入し、ド-ズボリュ-ム計算時間の短縮化、照合のために用いる投影画像の計算時間の短縮化を達成した。今後、それらの新しい三次元画像の臨床上の有用性も検討していきたい。
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