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1989 年度 実績報告書

抗精神病薬の作用機序に関する研究ー線条体エンケファリン代謝を指標にしてー

研究課題

研究課題/領域番号 01480280
研究機関岡山大学

研究代表者

庄盛 敏廉  岡山大学, 医学部, 教授 (90033216)

研究分担者 金行 孝雄  岡山県立短期大学, 助教授 (20079239)
盛政 忠臣  岡山大学, 医学部, 助教授 (80093714)
キーワードcentral nervous system / striatum / synaptic transmission / neurotransmitters / methionine-enkephaline / antipsychoyic drugs / pharmacological connections
研究概要

伝達物質受容体に対する選択的なアゴニストまたはアンタゴニストを投与した際、その節後ニウロンは、急性期の最初に変動する。本研究では、これらの薬物投与後の線条体における各種神経伝達物質とその代謝物等を一斉に測定して、それらの変化から、節後ニウロンを検索し同時に線条体内の神経回路網を推測した。即ち、
(1)GABA-A受容体に対するアゴニストdiazepamを投与した結果から、GABA-A受容体が介する節後ニウロンは、従来から知られているドパミンニウロンと、新たに、エンケファリンニウロンであることが明らかになった。
(2)ムスカリン性アセチルコリン受容体の選択的アンタゴニスト、3-Quinuclidinyl benzilateの投与実験の結果、この薬物が関与する受容体の節後ニウロンは、エンケファリンニウロンであることが明らかになった。
(3)ムスカリン性アセチルコリン受容体に対する選択的アゴニスト、Bethanecholの投与実験の結果から、このアゴニストが関与する受容体の節後ニウロンは、エンケファリンニウロンと、セロトニンニウロンであることが明らかになった。ここで、線条体内におけるセロトニンは、背側縫線核からの投射終末のものであることから、このセロトニン終末に対する節前支配を示唆するものと考えられた。
(4)ドパミン受容体のサブタイプD1に対するアンタゴニストSCH-23390投与実験の結果から、この受容体が介する節後ニウロンは、従来から知られているアセチルコリンニウロンであることが確認された。
(5)ドパミン受容体のサブタイプD2に対するアンタゴニストYM-09151ー2投与実験の結果から、この終末には、アセチルコリンの他、セロトニンとGABAのニウロンが、節後または節前に関与していることが示唆された。
これらの神経回路網の中で、抗精神病薬の慢性持続投与が薬理作用を発現する機構を、続けて検討を加える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 盛政忠臣,田中雅邦,金行孝雄,庄盛敏廉: "ラット線条体・視床下部領域におけるMet-Enkとドパミン、セロトニン、GABA、アセチルコリンの関係" 薬物・精神・行動. 9. 59 (1989)

  • [文献書誌] 盛政忠臣,田中雅邦,金行孝雄,岡田英俊,庄盛敏廉: "ラット線条体のムスカリン終末の二次ニウロンに関する研究" Neurosciences. 15(2). 241-243 (1989)

  • [文献書誌] 盛政忠臣,金行孝雄,田中雅邦,岡田英俊,庄盛敏廉: "ラット線条体DA、ACh、Met-Enk、GABAの日内変化" Neurosciences. 15(2). 244-246 (1989)

  • [文献書誌] Kaneyuki T,Morimasa T,Shohmori T: "Action of peripherally administered cholecystokinin on monoaminergic and GABAergic neurones in the rat brain" Acta Medica Okayama. 43(3). 153-160 (1989)

  • [文献書誌] 盛政忠臣,金行孝雄,岡田英俊,庄盛敏廉: "脳内エンケファリン濃度のサ-カデイアンリズムーモノアミン、ACh、GABAとの関係" 神経化学. 28. 412-413 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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