研究課題/領域番号 |
01480299
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大野 竜三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70093002)
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研究分担者 |
直江 知樹 名古屋大学, 医学部, 助手 (50217634)
谷本 光音 名古屋大学, 医学部, 医員
森下 剛久 名古屋大学, 医学部, 医員
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キーワード | 多剤耐性遺伝子 / mdr / 遺伝子導入 / 骨髄幹細胞 / CFU / PSVLベクタ- |
研究概要 |
ヒト骨髄幹細胞の分離・精製の検討のため、急性白血病患者の寛解期骨髄細胞を材料とし、各種ヒト造血器細胞分化抗原に対する単クロ-ナル抗体と補体処理後に得られた細胞1×10^7個を、Dexter型stroma cell layer上で10〜14日間培養後、invitroコロニ-法にて各種のコロニ-数を算定した。抗体未処理群との比較では、CFU-MegとBFU-Eの低下を認めたが、CFU-mix CFU-GMはほぼ同等に保たれていた。in vitroコロニ-に用いた細胞数は2〜4×10^4個であり、約25〜50倍の骨髄幹細胞の濃縮が可能であった。また、遺伝子移入後の予備実験として、各種発現ベクタ-に、コントロ-ル遺伝子として、凝固第IX因子遺伝子(cDNA 1.45kb)を挿入したキメラ遺伝子を作成し、標的細胞(CHO)に、ポリブレンもしくはリン酸カルシウム存在下に遺伝子移入を行った。1×10^7個のCHO細胞上清中の第IX因子量をELISA法にて測定した結果 pMSG-FIX,pSVL-FIXおよび pKSV-10-FIXでそれぞれ培養5日間にて、2.3,8.1および3.6mg/dlの値であり、pSVLベクタ-系において最も効率よくヒト遺伝子産物がプロセスされることが明らかになった。 一方、ヒト多剤耐性遺伝子(mdr)のfull lengthゲノム遺伝子は全長10kb以上にわたるため、本研究では、当教室で樹立された単球性白血病細胞株NOMO-1細胞の多剤耐性株よりmbr cDNAの単離を試みた。方法は従来のcDNA作成法を用い、pVCベクタ-にてcDNAライブラリ-を作成後、0.9kbのゲノムmbr1遺伝子断片をプロ-ブとしてコロニ-ハイブリダイゼ-ションにより、陽性コロニ-を単離した。更に、陽性コロニ-の挿入遺伝子をプロ-ブに二次スクリ-ニングを行い5個の陽性クロ-ンを得た。今後、制限酵素マッビングにてmbr遺伝子の構成を行った後、pSVLベクタ-に挿入し、上記の骨髄幹細胞への移入実験を実施する予定である。
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