研究課題/領域番号 |
01480304
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大川 治夫 筑波大学, 臨床医学系・小児外科, 助教授 (30009667)
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研究分担者 |
八神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40166476)
越智 五平 筑波大学, 臨床医学系・小児外科, 講師 (20185614)
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キーワード | 動物モデル / ブタモデル / 先天性横隔膜ヘルニア / 発生学 / 胸腹裂孔ヘルニア / doable recessiuegeve |
研究概要 |
1)われわれの確立した鎖肛ブタ家系(I-Farm)に横隔膜ヘルニア13例の発生をみたことよりこの研究が始まった。この鎖肛ブタ家系の維持自体が必須のことであり、これが出来たことは成果の一つである。 2)横隔膜ヘルニアのブタ(雌)を手術的に治療し救命できたので、成育し同じFarmのブタを用いて実験的交配を行っているが、いまだこの奇形の再発を見ていない。モデル動物としての横隔膜ヘルニアを生産するための交配に関する検討を続けている。 3)13例の横隔膜ヘルニアに関して詳細な解剖学的な検討を加えた。全例が遅発性であるが、先天性のヘルニアであることを病理学的にも確認出来た。 4)正常の横隔膜の発生学的検討によって、胸腹裂孔の閉鎖機序より閉鎖の過程において、裂孔は背側方より閉鎖してゆき、中央に向かって裂孔が移動して行くことが示されている(Hamburg大学のD.Kluthとの共同研究による)。我々のブタの標本では裂孔が中央にあり、しかも小さいものが多いことより、この説明と合致することが確かめられた。ヒトの遅発例ではこの点が不確かである。 鎖肛ブタの初期胎仔標本より横隔膜部分の検討を行っている。 5)遺伝学的な検討がなされた。137同胞仔/6出産の内に13の横隔膜ヘルニアが見られたわけであるが、各種遺伝形式に関して計算が繰り返され、このうち二重劣性遺伝が適合する事が確認された(放射線医学総合研究所安田徳一部長との共同研究による)。
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