研究課題/領域番号 |
01480321
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上西 紀夫 東京大学, 医学部(分), 講師 (30126031)
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研究分担者 |
安田 秀光 東京大学, 医学部(分), 助手 (00167694)
邱 明麟 東京大学, 医学部(分), 助手 (70186344)
酒井 滋 東京大学, 医学部(分), 助手 (90183722)
大原 毅 東京大学, 医学部(分), 教授 (20010217)
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キーワード | 胃粘膜内神経分布 / 脳腸ホルモン / VIP / 胃癌 / 腸上皮化生 / 慢性胃炎 / Brdu / 細胞回転 |
研究概要 |
1.基礎的検討:ラットにおいて、無処置コントロ-ルでは脳腸ホルモンの一つである。VIPを含有する神経線維は、胃粘膜内では粘膜の深層を中心に、粘膜下層、筋層内では一部血管にそって分布していた。そして、迷走神経切離術後では、このVIP含有神経線維の分布はきわめてまばらとなった。また、この傾向は、3ヶ月、6ヶ月までの検討では、迷切後の経過時間によって余り変化していない可能性が示唆された。 2.胃潰瘍や十二指腸潰瘍の切除標本における検討では、とくに、胃炎性変化の強い場所、腸上皮化生の認められる部位とそれ以外の部位とでは、VIP含有神経線維の分布は異なり、胃炎生変化のある方が密に分布している場所も認められた。 さらに、現在、我々が開発した慢性胃炎モデルを用い、萎縮性胃炎、および、腸上皮化生粘膜におけるVIP含有線維の分布とBrduによる細胞回転との関わり、ガストリン細胞の消長との関連について検討中である。 なお、S-100による神経分布との比較では、慢性胃炎粘膜でのS-100陽性線維の減少傾向が認められており、含有ペプチドの相違や神経の機能による差の存在の可能性がある(但し、検討症例も少なく、今後の課題である)。 3.胃癌症例での神経分布と胃癌組織、背景粘膜との関連、また、これらと胃液中のニトロソ化合物の相関については、器械の購入の関係上、現在準備中である。
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