研究課題/領域番号 |
01480324
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
水本 龍二 三重大学, 医学部, 教授 (00025561)
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研究分担者 |
横井 一 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60174843)
野口 孝 三重大学, 医学部, 助教授 (40144258)
川原田 嘉文 三重大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40024814)
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キーワード | 黄疸遷延 / 肝予備力低下 / 肝微細構造 / sinusoidal block / 肝動脈遮断 / 肝広範壊死 / 虚血再潅流障害 / 肝切除限界 |
研究概要 |
閉塞性黄疸に対する肝切除限界や減黄術の是非が種々の立場から論じられているのにもかかわらず、基礎的にこれらの病態を詳細に検討した報告は少ない。本研究では雑種成犬を用い胆嚢摘出兼総胆管結紮切離を行って閉塞性黄疸を作成し、平成元年度は機能と形態の両面から閉塞性黄疸肝に対する一期的あるいは二期的肝切除限界を検討し、肝切除後の病態と長期予後を明らかにしてきた。一方、高度の閉塞性黄疸を伴う肝門部癌の根治切除に際しては肝流入血行遮断を必要とする症例が少なくなく、平成2年度は閉塞性黄疸減黄術後の可逆性と肝流入血行遮断の許容限界及び病態について検討し、以下の結果を得た。 1.減黄術後の黄疸遷延:閉塞性黄疸作成後2、3、4週目に総胆管十二指腸吻合による減黄術を行い、その可逆性を機能と形態の両面から検索した結果、黄疸作成後3週目になると減黄効果は不良で、その回復は機能的にも形態的にも遷延し、4週目減黄群では全例10日以内に死亡した。肝微細構造からみても、肝細胞ミトコンドリアではcristaeの膜面積が門脈域、中心域でともに減少し不可逆的所見を示し、またKupffer細胞は肥大し類洞に充満してsinusoidal blockを示した。 2.肝流入血行遮断の許容限界と病態:閉塞性黄疸作成後2、3週目に肝流入血行を遮断し同時に減黄術を施行すると、その許容限界は黄疸2週目及び3週目でそれぞれ、肝動脈遮断では2時間及び1時間.門脈遮断では20分及び10分.肝動脈・門脈同時遮断では10分及び5分であり、黄疸持続期間が長くなる程、遮断許容時間は短縮し、特に肝動脈を遮断すると肝広範壊死の発生を認め、減黄術のみの群に比し有意に肝機能の回復は不良であった。 以上の成績に基ずき最終年度は、虚血再潅流障害の立場から肝流入血行を遮断し、再潅流後の肝切除限界や黄疸遷延の病態について検討する。
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