| 研究概要 |
1.新しい膵管ドレナ-ジ法としての膵食道吻合を用いた自家膵移植(Transplantation 44,583,1987)の臨床応用に不可決である長期における内外分泌機能の検討および移植膵の組織学的検討を行なったが内外分泌機能ともほぼ正常で組織学的にも内外分泌組織とも正常でこの方法の長期に及ぶ安全性が確認された(<Japanese J.Sung 20,685,1990>___ー)。又同種移植における安全性も確認出来た(<Transplant Proc.22,704,1990>___ー).
2.当教室で開発した人工血液(perfluoros chemical)の新しい利用法として開発した二層単純浸漬保存法(Transplantation 46,457,1988,Transplant Proc 21,1376,1989)にて膵保存期間を72時間まで延長可能であること(Transplantation 47,776,1989,<Transplant Proc 22,539,1990>___ー)および保存液をユ-ロコリンズ液よりUW液に変えることにより96時間まで延長可能であること(<Transplantation,in press>___ー)を証明した。またこの方法による保存膵の酸素化の機序がperfluorochemicalに溶解した酸素がperfluorochemicalに接した膵裏面より直接膵に拡散することによることを明らかにした(<Transplantation,49,694,1990>___ー)。この保存法をより単純にまた運搬に便利な方法として酸素化したperfluorochemicalに保存膵を浸漬する方法を開発した(<Transplantation,49,648,1990>___ー)。
3.当教室ではじめて犬膵液より精製した膵分泌性トリプシンインヒビタ-(PSTI)の血中測定が拒絶反応早期のマ-カ-として有用であることを明らかにしたが(Transplantation,46,512,1988,Transplant proc.21,2793,1989)拒絶時のPSTIの上昇はシクロスポリン、ステロイドの免疫抑制剤によって抑えられPSTIの上昇時のこれらの免疫抑制剤の投与は移植膵を拒絶反応から免れさせることを証明した(<Transplant Proc.22,704,1990>___ー)。又臨床例についてもアメリカウィスコンシン大字との共同研究で血清PSTIが拒絶反応の早期の可逆時のマ-カ-として有用であることを明らかにした(<Transplantation,in press>___ー)。
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